最終予選の突破後も“結果”重視 W杯本戦の「壮大な野望へ」…日本首脳陣「緻密に準備したい」

森保一監督がW杯のポット分けに言及【写真:徳原隆元】
森保一監督がW杯のポット分けに言及【写真:徳原隆元】

森保監督、山本NDはFIFAランキングの重要性を強調

 日本サッカー協会(JFA)は3月13日、今月のワールドカップ(W杯)アジア最終予選のメンバーを発表した。その記者会見の席上では、山本昌邦ナショナルチーム・ダイレクター(ND)と森保一監督の双方が、本大会出場を見据えグループリーグ組み分け抽選会のポット分けにつながるFIFAランキングの重要性を強調。山本NDは「壮大な野望の中でできることを緻密に準備したい」と話した。

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 日本は最終予選の6試合を終えて5勝1分け。勝ち点16でグループCの首位を独走中だ。一方で、2位は勝ち点7のオーストラリア、3位以下はインドネシア、サウジアラビア、バーレーン、中国が勝ち点6で並び大混戦となっている。日本はバーレーン戦で勝利すれば、2位以内が確定して史上最速でのW杯出場が決まる。

 もしバーレーン戦で突破が決まれば試合結果への制約がなくなり、テスト的な起用を多くすることも可能だ。しかし、山本NDは結果への重要度が高いという認識を示した。なぜなら、W杯のグループリーグの組み分けには抽選会の直近FIFAランキングが高い順に出場国を並べ、すでにポット1扱いでグループの位置が決まっている3つの開催国を除き、ランキングが高い順にポット1からポット4に振り分けられるからだ。

 このランキングに使用されるポイントは複雑だが、試合結果に対して試合の重要度と対戦相手とのランキング差が計算式に組み込まれる。その点で、公式戦である最終予選の残り4試合は試合重要度のポイント係数が高い。また、山本NDは「アジア予選のスタートが早いことでポイントが上がっている。欧州予選が始まると追い上げられることは想定される」と、UEFAネーションズリーグの準々決勝以降と、W杯予選を残している欧州勢との兼ね合いに触れた。

 そのため、山本NDは「ロードマップの中では年末までの全ての試合が重要なので、チーム力を上げ最終目標に近づきたい。どのチームがどれくらいのポイントを持っているかも見ているし、壮大な野望の中でできることを緻密に準備したい。その中で、FIFAのポイントはすごく気にしている」と、最大目標であるW杯優勝を見据えて話す。

 森保監督も「まず目の前の一戦、W杯の出場権を取る、W杯に出て世界一になるというのを常に目標に持っているなか、今回のバーレーン戦に関しても勝利を目指しながら出場権をつかみ取る。そこがゴールではなく、優勝する、世界一を取るというのも踏まえて戦いたい。山本ダイレクターがこの試合がポット分けにとっても重要という公式戦の重要性も話していた。目の前の一戦を忘れてはいけないが、これからの成長も見据えて戦いたい」と、その重要性を共有して臨むことを明らかにした。

 もちろん、森保監督が「勝利を目指しながら戦術と選手を試して幅を広げることにトライしてきた。まずW杯の出場をつかみ取ったうえで色々なチャレンジをしたい」と話すように、新戦力の拡大や戦術的な幅を広げることは出場権獲得後に重要なテーマになる。しかし、その前提は全ての試合で勝利をつかむこと。それがFIFAランキングとW杯でのポット分けという具体的な形でも先につながることを代表首脳陣は強調していた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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