若手ブレイク候補「未完成だからこその良さ」 20代のJ屈指コンビ、逆転W杯行きも「可能性がある」【見解】

【専門家の目|柿谷曜一朗】今シーズンのブレイク候補は?
Jリーグが開幕し、5節を消化した。今季は若手もシーズン序盤から活躍を遂げているなかで、「FOOTBALL ZONE」解説者の柿谷曜一朗氏は、ブレイク候補を挙げた。湘南ベルマーレの若手2トップFW鈴木章斗とFW福田翔生に注目した。ここから先の飛躍次第では1年後のワールドカップ(W杯)へサプライズ選出も「可能性がある」とした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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柿谷氏が注目したのは湘南で売り出し中コンビ。主将で10番、昨季2桁ゴールの21歳・鈴木と昨季J1初ゴールを挙げたばかりの23歳・福田。2人は5節を終えて3得点(鈴木)、2得点(福田)とここまで3勝2分けの無敗、勝ち点11で2位につけるチームの躍進に貢献している。
鈴木はガンバ大阪ジュニアユース出身で阪南大学高等学校から湘南入り。全国高校サッカー選手権では得点王となる7点を挙げた。昨季は34試合に出場して10ゴール。今季は21歳ながら主将もエースも任せられる立場へと成長を遂げた。
福田は実兄が東京ヴェルディMF福田湧矢。湘南2年目の昨季は10得点で今年、24歳を迎える。2人とも湘南の若き“2枚看板”だ。
「去年の活躍をしてもチームに残っている。湘南のスタイルで若手が躍動するけど出て行ってしまうというのがあった。福田くんのほうが何でもできるけど、少し感性に任せてプレーしている感じ。能力でプレーしているように見える。鈴木くんはオールラウンダーで何でもできる。もう完成されている。逆に福田くんは完成するつもりがない。未完成だからこその良さが出ている」
3月のW杯アジア最終予選メンバーも12日に発表されたが、国内組はすでに“最終予選常連”のGK大迫敬介やGK谷晃生、DF長友佑都、DF高井幸大の4人。サプライズでの日本代表入りは「Jリーグから難しい」としつつも「2人は可能性がある。夏に海外移籍すれば……というところも」とした。
前回大会、湘南からはブレイクしたFW町野修斗がメンバー入りを遂げている。先輩に続くことができるか。J屈指の強力2トップに期待だ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

柿谷曜一朗
柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう)/1990年1月3日生まれ、大阪府大阪市出身。セレッソ大阪の下部組織から16歳でプロ契約。徳島ヴォルティスやスイス1部バーゼル、名古屋グランパスでもプレー。U-17W杯で2得点し活躍した。13年東アジアカップで得点王、14年ブラジルW杯に出場するなど国際Aマッチ18試合5得点。華麗なトラップ、ゴールで人々を魅了し、「ジーニアス」と称された。24年限りで現役を引退し、解説やメディア出演など幅広いマルチな活動をしている。