“ビッグ6”時代終焉の予感 名解説者が厳選、今こそ見るべきプレミアリーグのクラブ3選【インタビュー】
“伏兵”たちが旋風を巻き起こす2024-25シーズン
【注目】プレミアリーグは「この10年で完全に変わった」 かつては“肉弾戦”も…名将たちが根付かせた戦術の最先端
イングランド・プレミアリーグの2024-25シーズンが、いよいよ佳境に入る。4連覇中のマンチェスター・シティがまさかの不振に陥り、新たな王者の誕生が確実視されている。日本代表MF遠藤航が所属する、新体制のリバプールが2位のアーセナルに勝ち点差「15」をつけて首位を独走している。
マンチェスター・ユナイテッドやトッテナムといった“ビッグ6”勢が2桁順位から抜け出せない苦難の時期を過ごしている一方、昨季残留争いを演じたノッティング・フォレストが大躍進し、トップ4争いをリード。潤沢な資金力を持つビッグクラブの陰で日の目を浴びなかった“伏兵”たちにスポットライトが当たるシーズンとなっている。
イングランド出身で、プレミアリーグを独占放送する「U-NEXT」で解説を務めるスポーツジャーナリストのベン・メイブリー氏は、“ビッグ6”時代の終焉を予感させる今こそ見るべきプレミアリーグのクラブを3つ挙げてもらった。(この記事はアフィリエイト広告を利用しています)
【AFCボーンマス】
【注目】プレミアリーグは「この10年で完全に変わった」 かつては“肉弾戦”も…名将たちが根付かせた戦術の最先端
1899年にボスコムFCのクラブ名で創設されたボーンマスは1972年に現在の名称となった。イングランド南西部ドーセットの南海岸に位置する小さな街のクラブで、本拠地のバイタリティ・スタジアムの収容人数は1万1307人と決して大きくはない。2015-16年シーズンで初めてプレミアリーグに昇格。19-20年シーズンで18位に終わって2部に降格したものの、22-23年シーズンにプレミア復帰を果たし、昨季は12位だった。
今季は第28節終了時点で昨季を上回る8位に位置し、10月19日の第8節でアーセナル、11月2日の第10節でマンチェスター・シティを撃破。メイブリー氏は「ボーンマスは決して大きな街ではありませんが、すごく賢いマネジメントでプレミアリーグに上がり、そして定着しています。いまは(スペイン人の)アンドニ・イラオラ監督が就任して2年目となり、さらなる進化を図っています」と語った。
ボーンマスは第25節時点で、チェルシーを差し置いて5位に位置しており、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権が与えられるトップ4入りを視界に捉えている。現時点でのベストゲームの1つに上げられるのは、現在3位と絶好調のノッティンガムを相手に5-0で圧勝を収めた一戦だ。スコアだけでなく、ボーンマスが目指すサッカーを完璧に体現した戦いぶりだった。
【ブレントフォードFC】
【注目】プレミアリーグは「この10年で完全に変わった」 かつては“肉弾戦”も…名将たちが根付かせた戦術の最先端
ブレンドフォードは首都ロンドンのハウズロー地区を本拠地とするクラブ。ただ、同じ西ロンドンにはチェルシーを筆頭にフルハム、FW斉藤光毅が在籍するクイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)もいる。メイブリー氏は「サポーターを獲得できるエリアはすごく狭い。成長の余地がそれほど大きくないはずですが、賢いマネジメントでプレミアリーグに定着しています」と、難しい環境にありながらも、2021-22年シーズンからプレミアリーグに定着し、22-23年シーズンは9位と1桁順位で終えた戦いぶりに着目している。
2016年途中にアシスタントコーチとして招かれたデンマーク人のトーマス・フランク氏が2018年から監督に就任し、今季で7年目の長期政権を築いている。「ずっとフランク監督でやっていて、チームの顔であるアイヴァン・トーニーがいなくなったにも関わらず、プレーがまた進化しています」。第21節のマンチェスター・シティ戦では、終了間際まで2点のビハインドを背負っていたものの、ラスト10分の連続得点でドローに持ち込む、象徴的な粘り強さを示した。
ブレントフォードのベストゲーム候補は、4-2で勝利したニューカッスル戦だ。シュート数は11対16と劣っていたものの、枠内シュート数は8対3と明確な差を見せつけ、そこから4得点と、効率的かつ的確な攻撃が印象に残った。長期政権で洗練されたブレントフォードのスタイルがわかりやすく反映される一戦となった。
【アストン・ビラFC】
【注目】プレミアリーグは「この10年で完全に変わった」 かつては“肉弾戦”も…名将たちが根付かせた戦術の最先端
上の2クラブとは違い、アストン・ビラはリーグ優勝7回、チャンピオンズリーグの前身であるチャンピオンズカップ優勝1回を誇る古豪だ。1880年代からイングランドを代表するクラブだったが、2部や3部への降格を味わった歴史もある。2018-19年シーズンでプレーオフを勝ち抜き、プレミアリーグに再昇格。2022年途中、スティーブン・ジェラード監督の後任としてスペイン人のウナイ・エメリ監督が就任すると、22-23年シーズンで7位に躍進。昨季は4位となり、42年ぶりにチャンピオンズリーグ出場を決めた。
チャンピオンズリーグでは一時、リーグフェーズで首位を走り、メイブリー氏は「やっているサッカーも面白いので、どこまで上に行けるか。ビッグクラブ勢に定着できるか、本当に優勝を争うクラブになれるか、見てみたいと思っています」という。古豪復活なるか。そんなストーリー性も秘めており、注目のクラブの1つだという。
アストン・ビラのベストゲームに数えられるのは、2-1で競り勝ったマンチェスター・シティ戦だ。この試合で1ゴール1アシストと大車輪の活躍を披露したFWモーガン・ロジャースはマンチェスター・シティの下部組織出身。プロ契約を結ぶも、出番を勝ち取ることができずに退団し、クラブを転々とするなか、昨年にアストン・ビラへと加入。そして今季、古巣マンチェスター・シティを相手に類稀なる才能を示すドラマチックな展開となった。
【第17節 アストン・ビラvsマンチェスター・シティの見逃し配信はこちらから】
面白いのはメイブリー氏が挙げた3クラブがどこも“豊かなクラブ”ではないこと。豊富な資金力だけで制すことができるほど今のプレミアリーグは甘くなく、同氏も「どこよりもお金持ちでも、そのお金を賢く使わなければ強くはなれない。クラブにあるお金をできるだけ賢く使うのがポイントになります」という。それぞれのクラブが持つ予算を、いかに賢く使って、チームをマネジメントしていくか。それが勝ち抜くポイントになっている。
「アストン・ビラの予算はユナイテッドやシティと比べて、だいぶ少ない。ブラントフォードも、三笘薫のいるブライトンもそうですけど、すごく頭が良くて、賢く補強をして、今がある。クラブにあるリソースを最大限賢く活かし、それで少しずつリソースを大きくして、少しずつ成長を図るのが、それこそ持続可能な強いサッカークラブじゃないかなと思います」。そんなクラブがビッグクラブに立ち向かい、対等に渡り合い、そしてリーグがより盛り上がる。そんな世界を、今のプレミアリーグは作り出している。
今季のプレミアリーグを象徴する中小クラブの“マネジメント力”を日本国内で視聴できるのはU-NEXTだけ
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日付 | 節 | 注目カード | 視聴方法 |
---|---|---|---|
3月16日(日) | 第29節 | アーセナル vs チェルシー | こちらから |
4月2日(水) | 第30節 | ノッティンガム・フォレスト vs マンチェスター・ユナイテッド | こちらから |
4月3日(木) | 第30節 | チェルシー vs トッテナム | こちらから |
4月5日(土) | 第31節 | マンチェスター・ユナイテッド vs マンチェスター・シティ | こちらから |
4月5日(土) | 第31節 | ブライトン vs ニューカッスル | こちらから |
4月12日(土) | 第32節 | ニューカッスル vs マンチェスター・ユナイテッド | こちらから |
4月19日(土) | 第33節 | トッテナム vs ノッティンガム・フォレスト | こちらから |
4月26日(土) | 第34節 | リバプール vs トッテナム | こちらから |
5月3日(土) | 第35節 | アーセナル vs ボーンマス | こちらから |
5月3日(土) | 第35節 | チェルシー vs リバプール | こちらから |
5月3日(土) | 第35節 | ブライトン vs ニューカッスル | こちらから |
5月10日(土) | 第36節 | リバプール vs アーセナル | こちらから |
5月10日(土) | 第36節 | ニューカッスル vs チェルシー | こちらから |
5月18日(日) | 第37節 | アーセナル vs ニューカッスル | こちらから |
5月18日(日) | 第37節 | チェルシー vs マンチェスター・ユナイテッド | こちらから |
5月18日(日) | 第37節 | ブライトン vs リバプール | こちらから |
5月26日(月) | 第38節 | ノッティンガム・フォレスト vs チェルシー | こちらから |
(FOOTBALL ZONE編集部)