前田大然は「世界レベルで見てもほかにいない」 森保J点取り屋が絶好調の訳【見解】

【専門家の目|柿谷曜一朗】前田大然は今季公式戦で27ゴールと絶好調
スコットランド1部セルティックに所属する日本代表FW前田大然が止まらない。3月9日、スコティッシュカップ準々決勝ハイバーニアン戦(2-0)でゴールを記録し、今季公式戦で27ゴール目に乗せた。直近の10戦で12ゴールと得点量産中。「FOOTBALL ZONE」解説者の柿谷曜一朗氏は好調を維持する理由と、日本代表での“使い方”について語った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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10戦12発で公式戦4試合連続ゴール中。2月は8試合10得点でリーグの月間MVPを受賞し、その勢いは止まらない。これまでセルティックでもウイングを務めることがあったが、現在はFWとして才能をさらに開花させている。
「プレーというより自分が何をやればいいか、評価されるのかが分かっている。ゴールとかアシストはあとでついてきているもので、水戸(ホーリーホック)のときから見ているけど、松本(山雅)、(横浜F・)マリノスでもこの選手はJリーグじゃおさまらんと思っていて。水戸、松本の時は周りの選手に気を遣っている感じもしたけど、メンタルのところが成長して、いろんな自分の特徴を引き出すプレーを分かっている。自分にしかできないことを分かっている。頭が整理された」
柿谷氏は、得点を量産する理由について、前田自身がゴールに固執せず、武器であるスピードを生かして守備でも貢献するからだと指摘。その基準は世界レベルだとした。
「あれだけの武器を(周囲が)使わざるを得ない状況にした。ゴールを取るために執着するだけじゃもったいない。攻撃よりも守備のところで1人でボールも奪いきれるし、奪った後に出ていくのは誰でもできるけど、トップスピードで2回できるのは世界レベルで見てもほかにいない選手。技術がめちゃくちゃ優れているとかではないけど、爆発的な能力がある。例えば、ポジションミスも彼にとってはポジションミスじゃなくなる。どこにいてもゴール前に入っていける。その回数、タイミングが整理出来ているから点が取れている」
日本代表はFW上田綺世やFW小川航基らが負傷明けでコンディション万全とは言えない。前田の活躍に期待が懸かるなかで柿谷氏は「もちろん決めるのは監督やけど、個人的には一番前よりトップ下の方が面白い。スペースが空くし、裏抜けはオフサイドになってしまう。2列目3列目から飛び出したらもう止められない」と分析した。
「代表がこの先強くなるために、W杯でベスト8にいくには、今までと一緒じゃダメというのは分かっているけど、これまでは能力で海外の選手を圧倒している選手がいなかった。結局、最後は個人のところで突破というのはあるから三笘くん久保くんの技術はスキルで生きるかもしれないけど、前田くんは戦術的じゃなくて野性的な、本能的な部分で勝負しても面白いと思う。この(前田という)武器を使わないと」
カタール・ワールドカップ(W杯)でも光ったが前田のプレスは相手の脅威となる。世界で戦っていくためにこの27歳の存在はキーマンとなりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)