28年ぶり不名誉記録も「まだ死んでない」 5戦未勝利の名古屋…見えた一筋の光「何よりの収穫」

アウェーでC大阪と対戦し1-1のドロー【写真:柳瀬心祐】
アウェーでC大阪と対戦し1-1のドロー【写真:柳瀬心祐】

アウェーでC大阪と対戦し1-1のドロー

 名古屋グランパスは3月8日、J1リーグ第5節でセレッソ大阪と対戦し1-1のドローで終わった。1997年以来となる28年ぶりの開幕から5戦未勝利となったなか、試合後の会見で長谷川健太監督やMF稲垣祥はポジティブな面を口にした。

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 名古屋はここまで1分3敗といまだ未勝利のなかでC大阪のホームに乗り込んだ。スタメンには昨季より主力のDF三國ケネディエブスを外し、前節初出場でゴールを決めた佐藤瑶大を3CBの真ん中に配置。さらに右WBには今季初出場となる中山克広を起用とテコ入れを図った。

 前半は両者決め手に欠いたが、同アディショナルタイム4分に裏抜けからMF北野颯太に先制点を奪われた。後半はC大阪にペースを握られ、何度もチャンスを作られたが相手のシュートミスに助けられる形に。すると同40分、途中出場のMF菊地泰智、浅野雄也とつなぎ最後は鋭いクロスにFWマテウスが合わせて追い付いた。その後はC大阪に攻め込まれたが、GK武田洋平のセーブもあり1-1のドローで終了した。

 開幕から5戦未勝利となり97年以来28年ぶりの記録となったが、長谷川監督は「今までの試合ではこういう展開で追加点を与えていましたが、今日は中央の選手が最後のところで身体を張ってくれて、相手に追加点を与えなかったのがマテウスの同点ゴールにつながったと思います。本当に選手は何とかしなきゃという気持ちを見せてくれた」と言及した。

 さらに、前節のFC町田ゼルビア戦(1-2)後には「ディテールの部分、ちょっとしたところで失点してる。セカンドボールの反応、打たれる前の寄せはどうだったのか」と話をしていたが、C大阪戦では最後の最後で体を投げ出してブロックするシーンも見られた。

「ずっとディテールの話をしていたんですが、寄せという部分で足に当たったボールがゴールに飛ぶのか、それとも枠の外に行くのかという話をDF陣にして、今日は本当に体を張って枠に飛ばさせなかった。枠に飛んだボールも武田がセーブしてくれた。本当に守備はなんとかやらせないという部分と、最後の寄せは集中力切らさずにやってくれたと思います」と町田戦からの改善点を挙げ、守備陣を称賛していた。

MF稲垣祥もチームの前進を実感

 名古屋加入から6年目を迎える稲垣は、今季も主力としてプレーし開幕から全試合スタメンフル出場。C大阪戦でも、長谷川監督が称賛したDF陣と同じくらい身体を張ったプレーでピンチの芽を摘んでいた。

「勝つことはできなかったですけど」と結果に触れつつ、「ただやっぱり、後半とかもみんなが勇気を持ってつながっていく姿勢とか、そういうのは僕がピッチに立ってても感じられたし、みんながつながりながら戦い切れてる実感は凄くあったのでまだ全然死んでないと思いましたね」と5試合未勝利ながらもポジティブな面もあったと試合を振り返った。

 さらに「最後の際のところもそうだし、攻撃のところでどんどんチャレンジを全員がしていく。ミスも出ますけどそこをリカバリーしながら、全員で何度もトライしてやり続ける姿勢っていうのを出せたのが何よりの収穫だったかなと思うし、功名かなと思います」と内容が改善されており、手ごたえを感じていたと明かした。

 勝ち点0から勝ち点1に持っていけたなかで、「もう次が大事だと思うんで。次、今日表現して良かったところを出しながら結果をもぎ取れれば、一つ乗れるっていうところは感じてるんで次が大事かなと」と言及。「やっぱり今までだと0-1になってから0-2、0-3と畳みかけられることが多かったけど、最後の際のところで踏ん張れてたりとか、そういったところも含めてチームは間違いなく進んでると思う。だからこそ次が大切かなと思います」と、長谷川監督と同じ言葉を口にし、再度チームが前進していることを強調した。

 名古屋の勝利のために走り続ける33歳MFは中盤から支え攻撃を牽引しているが、“最下位”と低迷するチームを引き上げることができるのか、次節のアウェー東京ヴェルディ戦でも活躍に期待が寄せられる。

(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)



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