苦境から救った25歳の救世主 即フィットはなぜ、ピッチ上の言葉から紐解く「驚きでもない」

G大阪FW満田誠【写真:Getty Images】
G大阪FW満田誠【写真:Getty Images】

G大阪は清水に勝利を収めて今季初連勝

 ガンバ大阪は3月8日、J1リーグ第5節で清水エスパルスとホームで対戦し、1-0の勝利を収めた。今季初連勝で、FW満田誠が加入後負けなし。救世主として活躍を遂げる25歳に視察へ訪れた森保一監督も「すごくいい移籍になった」と褒め称えた。2試合目で初先発を飾った満田はなぜ加入後即フィットしているのか――。選手の言葉から紐解く。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 約3万人が訪れたパナソニックスタジアム吹田。初ホーム戦で、万雷の「満田コール」が響いた。心を奪われないわけがない。トップ下で初先発した満田は、右サイドのFW山下諒也、1トップのFWイッサム・ジェバリ、左サイドのMF倉田秋を生かしつつ攻撃を生み出す、まさに“救世主”だった。

 先制点はG大阪。立ち上がりからペースを握っていたなかで前半36分、MFネタ・ラヴィの完璧なラストパスから山下が美しいループシュートを決めた。この1点を奪うまでも満田を中心に再三チャンスを作り出していた。

「攻撃の部分ではフォーメーション上、相手におって自分は捕まえにくいポジションだった。しっかり受けてタメを作るというのを意識した。出し手の選手に選択肢を作ってあげることで、自分たちが受けたときに受けやすい選手を選んでくれる。そういったところは意識してポジションを取った」

 満田がそう話すように、周囲との連係は加入後2試合目とは思えないものだった。こんなに早く良いコンビネーションが生まれるものなのか。ピッチ上の選手は共通して「驚くことじゃない」と強調した。

「いいパスを出してくれて潤滑油みたいにポイントにはいってくれる。彼がいることでガンバが良くなっているのでその精度をもっと高められたら」(倉田)

「実際の代表歴もあるいい選手でクオリティーを出してくれる。これは別に何の驚きでもない。でもこんなに短い期間で溶け込む、チームにしっかり融合できているのは嬉しい」(ジェバリ)

「(驚きは)ないですよ。見たらわかります。信頼して走れる。いれば絶対的な存在になりますよね」(山下)

 満田自身も、昨季からのG大阪の映像を見返して、自分が何をすべきかイメージしてチームに合流した。それを今ピッチ上で表現している。

 この日、日本代表の森保監督も視察に訪れた。2022年にE-1選手権で2試合出場した経験がある満田のことを「彼が広島ユースの頃から見ている。本人にとってもチームにとってもプラスになっている。そんなプレーが今日も見られたのでいいのではないかと思います。より輝いてくれるということで非常にいい移籍になった」と称えた。

 G大阪にとっては初連勝。開幕の大阪ダービーで大敗し、初昇格のファジアーノ岡山に敗れ、けが人続出、チーム状況も苦境に立たされた。だが、どんな現実にも1人1人が立ち向かって1つずつ勝利を積み重ねている。満田の加入はその起爆剤となった。思いは1つ。10個めのタイトルを――。“新生”G大阪が歩みだした。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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