“大迫2世”獲りへプロ争奪戦…185cm逸材が西日本に出現 タレント性は「高校ナンバーワン」

鹿児島城西・大石脩斗【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
鹿児島城西・大石脩斗【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

すでに複数のJ1クラブが熱視線、鹿児島城西エース大石脩斗に懸かる期待

 今年の高校ナンバーワン注目タレントと言っていいだろう。鹿児島城西(鹿児島)のエースストライカー・大石脩斗はすでに複数のJ1クラブが激しい争奪戦を行なっている。

 185センチのサイズと抜群の身体能力に加え、足もとの技術が高く、クサビのボールや縦パスを落ちながら受けて、相手守備陣の矢印を完全に折りながら前を向き、スルーパスやドリブル、シュートと圧倒的な攻撃力を見せつける。そのプレースタイルとサイズ、鹿児島城西の9番であることから「大迫勇也2世」と呼ばれることは多いが、彼の魅力は大迫と違って中盤やサイドでもその才を発揮できるという柔軟性にある。

 もちろん根っからのストライカー。最前線でポストプレーをこなしながら、常にゴールを狙う意識を大事にしており、常にゴールに対して枯渇感を持つギラギラした選手だ。

 昨年、一気に頭角を現した大石だが、プレミアリーグWESTでは1ゴールのみでチームは降格。自らの決勝ゴールで優勝候補の神村学園を下して臨んだ選手権ではノーゴールに終わり、チームもPK戦の末に初戦敗退を喫した。

「本当に悔しかったというか、情けなかった。プレミアを通じて収める部分やターンの部分は成長したと思うのですが、やっぱりストライカーはチームを勝たせないといけない。選手権では正直、コンディション調整がうまくいかず、身体が思うように動かなかった。試合と試合の間、大会に向けての過ごし方は見直さないといけないと痛感しました。個人的に注目されることは大好きなのですが、今年は自分だけではなく、鹿児島城西というチーム自体に多くの注目が集まるようにしたいです」

 2月の九州新人大会。チームは準々決勝で佐賀東に1-2で敗れたが、試合後の彼に話を聞くと確かな手応えを感じていた。

「昨年はブロックを敷いて、弾いてからカウンターがメインでした。もちろん今年も昨年から積み上げてきたものをやりながらも、前からのプレス、ビルドアップ、連動した崩しにトライをしています。今大会でも今年のサッカーを少し見せられたと思いますし、もっと精度を上げていくためには選手たち自身で考えてやらないといけません。自立したプレーをしていきたいと思います」

 ちょうどこの時、中国では今年9月に開催されるU-20ワールドカップ(W杯)の出場権を懸けて、U-20日本代表がU-20アジアカップを戦っていた。このチームは2005年1月生まれ以降で形成されるチームで2007年12月11日生まれの大石は次のU-20W杯のターゲットエイジだ。大石はこの代表に入れなかった悔しさをにじませた。

「ずっとU-20日本代表には入りたいと本気で思っていたので、本当に悔しかったです。FW陣はタレントが多くて、どの選手もうまかったですが、自分の武器を出せばやれないことはないと感じました。だからこそ、U-20W杯のメンバーに入れるように頑張りたいと思っています」

 悠長なことは言っていられない。強烈な向上心を持った薩摩隼人は今月、U-17日本高校選抜の一員として静岡で開催されたヤングサッカーフェスティバルに出場。U-17静岡選抜を相手に2ゴールを叩き込んで勝利の立役者となるなど、早くも大きな狼煙を上げた。

「U-20日本代表に入ること、チームを再びプレミアリーグに戻すこと、そして最近は神村学園ばかりが注目されているのでその目を城西に向けさせる。今年は重要な1年になると思います」

「鹿児島城西と言えば大迫勇也」から「鹿児島城西と言えば大石脩斗」となるように。進路にも注目が集まる逸材は、覚悟を持って新たなシーズンの幕開けを迎えた。

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