Jリーグ勢に大打撃「そりゃないだろう」 アジア大会で異例事態、逆境→優勝の物語が「楽しみ」【見解】

【専門家の目|太田宏介】山東泰山がまさかの大会辞退
AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)のリーグステージで起こった、山東泰山(中国)の大会撤退は大きな波紋を呼んだ。この影響から、ヴィッセル神戸の順位が3位から5位へ転落するなどJリーグクラブにも影響が出ている。こうした異例の事態には、元日本代表DF太田宏介氏も「そりゃないだろう」と驚きを隠さなかった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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リーグステージ7試合をすでに消化していた山東泰山は、2月19日の最終節・蔚山(韓国)戦を当日に棄権。大会規定により、今年度のACLEから撤退することも決まった。中国版X(旧ツイッター)の「微博(Weibo)」上でクラブはその理由を「チーム内で選手の深刻な体調不良が発生し、医療チームの評価の結果、試合に出場できるチームを編成することが不可能になった」と説明している。
Jリーグから参戦している川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸は、それぞれ7節終了時点でリーグ戦突破を確定。だが、規定上で山東泰山との対戦が“なかったこと”にされたため、3位に入っていた神戸が5位まで下がる結果となってしまった。そのほか各チームにも勝ち点等に影響が出ている。
太田氏も「こうした辞退って普通は起こりえないです。実際にこの件が起きて、初めて皆さんにレギュレーションに焦点が当たったくらい。『そりゃないだろう』と思いましたけど、もう従うしかない状況。もう切り替えてやるしかないですよね」と嘆いた。
そのうえで今後「こうした規則がすべてのコンペティションで統一できたら理想ですよね」と、改善すべき点を語る。「実際にこういう事件が起きたら、選手たちはそれに対してのケアや準備をするしかない。大会としては、ここからトライ&エラーを繰り返しながら改定されていくとは思います」と予想をしていた。
一方で「こういう異例の状況から、神戸が優勝するというようなストーリーは僕個人的に楽しみにしていますけどね」と笑顔を見せる。逆境から這い上がる日本クラブの躍進を、太田氏は期待していた。ACLEは3月に入り、すでにノックアウトステージが開幕している。
(FOOTBALL ZONE編集部)

太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。