初の外国人監督でなぜ優勝? 「大きいと感じる」…なでしこDFが実感した効果

ニールセン新監督の下、シービリーブズ・カップで初優勝
なでしこジャパン(日本女子代表)は、2月に開催された国際大会シービリーブズ・カップで初優勝を飾った。ニルス・ニールセン新監督の体制で初めて臨んだ大会で強豪アメリカに勝利も収めてタイトル獲得の快挙だったが、DF北川ひかるは「相手をリスペクトするけど、自分たちが自信をさらに持ってプレーしようという監督のメンタル面へのサポートが大きいのかなと感じる」と話した。
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日本サッカー協会(JFA)は、昨年12月に史上初めての外国人監督としてニールセン監督の招聘を決断した。そして、この大会では初戦でオーストラリアに4-0と快勝スタートすると、コロンビアに4-1で連勝。そして、昨年のパリ五輪で金メダルを獲得した開催国アメリカとの第3戦に臨み2-1の勝利を収め、3連勝での優勝になった。北川は「アメリカも私たちと試合をする前まで勝ち試合が継続しているのを、ストップさせたのは非常に大きかった」と、今後また世界一を目指すなら避けては通れないライバルに勝利したことへの喜びも話した。
全試合に出場した北川は左サイドから大きな存在感を見せた。また、チーム全体も積極的にボールを保持して押し上げていく姿勢が強く感じられた。その戦いに「メンタル面の部分からしっかり勇敢に戦い、引いて守るのではなくプレスにかけてボールをつなぐ、切り替えを速くする変化はあった。ビルドアップでも慌てずうしろからつないで日本人らしくボールを保持する形が明確になった」と、実感を話す。
その要因の一つに新監督の存在があったという。「相手をリスペクトするけど、自分たちが自信をさらに持ってプレーしようという監督のメンタル面へのサポートが大きいのかなと感じる」として、個々に面談した際のことも「今後よりいい選手になるため向上しないといけないというモチベーションが上がる会話だった。自信を持ってやっているように見えるとも言ってもらえた。それは継続したい」と話した。
昨年のパリ五輪後にスウェーデンのヘッケンへ移籍した。その効果を「個人的には海外に出て非常に良かったなと常に思っている。フィジカル面は日本ではなかなか経験できなかった。日本にいて海外の相手と対戦すると慣れていないところも感じた。ヘッケンでプレーすることで慣れてきたこともあり、試合の入りも含めて余裕を持てるなと感じる」として、「今回の招集メンバーも海外でプレーをしている選手が多く、試合にスムーズに入れた要因になると思う」との実感も話した。
北川の言葉どおり、WEリーグのウインターブレーク中だったことの影響をニールセン監督も話していたとはいえ、メンバーのほとんどが海外でプレーする選手だった。男子代表と似たような環境になり始めている中、外国人監督を迎えるのにも適切なタイミングだったのかもしれない。
世界の女子サッカーは、五輪の前年に女子ワールドカップ(W杯)が行われる4年サイクルで回っている。次の大きな目標は2027年の女子W杯、28年のロサンゼルス五輪となってくるが、今後のチームの歩みに大きな期待を持たせるサイクルの始まりになったと言えそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)