英国で衝撃カンフーキック被害「耳裂けた」 25針大怪我に戦慄…現地非難「無謀なチャレンジ」

クリスタル・パレスFWマテタ、FA杯で頭部を蹴られ大怪我を負う
日本代表MF鎌田大地の所属するイングランド1部クリスタル・パレスは、3月1日に行われたFAカップ5回戦のイングランド2部ミルウォール戦に3-1で勝利し、ベスト8進出を決めた。この試合の開始早々にFWジャン・フィリップ・マテタがミルウォールGKリアム・ロバーツに頭部を蹴られて倒れ、救急車で運ばれ25針を縫う事態となった。クリスタル・パレスのスティーブ・パリッシュ会長は、「最も無謀なチャレンジ」と、ロバーツを激しく非難した。英衛星放送「スカイ・スポーツ」が報じている。
前半6分、最終ラインの裏に出たボールにマテタと、ロバーツはともに反応した。高く浮いたボールに対してロバーツは足でクリアしにいく。ボールを先に捉えたロバーツだったが、高く上がった足はマテタの頭部にヒット。足の裏で蹴られる形になったマテタは、ピッチ上で10分ほど治療を受けたが救急車で病院に運ばれた。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックの結果、ロバーツは前半8分で退場となっている。
クリスタル・パレスは公式声明で、マテタの無事と今後はクラブドクターの監視下で復帰に向かうことを発表したが、同時に「左耳にひどい裂傷を受け、専門医による治療と25針の縫合が必要だった」と、怪我の深刻さを伝えた。マテタはSNSを通じて「大丈夫です。早く復帰して、これまで以上に強くなって戻ってきます」と、早期復帰に向けて取り組むと語っている。
この試合のハーフタイムに取材に応じたパリッシュ会長は「サッカーでは、多くの感情があふれるものだが、あのチャレンジについては議論しなければいけない。あのようなチャレンジは見たことがない。これまで私がサッカーのピッチ上で見たチャレンジのなかで、最も無謀なものだった。彼は長く、しっかりと自分自身と向き合わないといけない。あのようなチャレンジで、同じプロサッカー選手を危険にさらしたのだから。そして、なぜ審判は映像を再確認しなければいけなかったのか理解に苦しむ。思いっ切り頭部を蹴ったらどれほど酷いダメージを受けるかは誰にもわからない」と、ロバーツだけではなく、VARチェックを必要としたマイケル・オリバー主審への不満を述べた。
ハーフタイムには激高していたパリッシュ会長だったが、試合後は落ち着きを取り戻し。「彼(マテタ)は無事なようだ。彼の代理人から連絡をもらった」と言い「頭の負傷だから詳しくはわからないが、ひどい裂傷で耳が半分ほど裂けたようだ。だが、私は言いたいことは言った。それほど怒っていなかったから、(ハーフタイムに)あのように話すべきではなかった。多くのサッカーを見てきたが、かなり激しいチャレンジだった。選手がわざとでなかったと理解しなければいけない。あまりプレーする機会もなく、緊張していたし、プレッシャーも大きかった。謝罪をしたいと思っているだろうし、彼自身も動揺していると聞いた。衝撃的なチャレンジだったし、私はJP(マタテ)がとても心配だった。まだ心配は残っているが、おそらく大丈夫だろう」と、ロバーツへの配慮も見せた。