開幕3連敗で自問自答「僕が何を見せられるのか」 福岡・金監督が初勝利に涙

福岡は神戸を25年ぶりに倒し、今季初勝利をマーク
開幕3連敗スタートだったアビスパ福岡は3月1日、J1リーグ第4節でヴィッセル神戸と敵地で戦い、1-0の勝利を収めた。昨季の王者相手に就任後初勝利を掴み、金明輝監督は試合後に涙ぐんだ。神戸にリーグ戦で勝利するのは25年ぶり。指揮官は「前向きなイメージの方が少ない」と現実と戦いながら歴史的な白星を掴んだ。
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試合のホイッスルが敵地ノエビアスタジアム神戸に鳴り響き、監督の表情が変わった。口を堅く結んだまま、仲間とのハイタッチで目元が緩む。必死に涙をこらえながら初勝利を噛みしめた。
序盤からペースをつかみ、前半40分。FWナッシム・ベン・カリファのシュートからこぼれ球をMF見木友哉が押し込んだ。相手DFに当たったボールがネットを揺らして先制。後半からは相手エースFW大迫勇也が登場し、流れを渡しそうになったが守り切った。
後半30分にDF上島拓巳が警告2枚で退場。終了間際にはFW佐々木大樹のシュートをDF田代雅也が魂のライン上クリアで得点を許さず。全員で戦い抜き、神戸にリーグ戦で2000年以来、25年ぶりの勝利をつかみ取った。
開幕から3連敗。今季から指揮を執る金監督にとっては試練の時間が続いた。聞こえてくる周囲の声。勝てないチーム、現実を受け入れ、自らを問いただした。
「福岡で応援してくれている方々、ファン・サポーターが期待していた結果、僕が何を見せられるのか自問自答した。僕の思っているようには進まない。紡いできたものがある中で選手たちの息遣い、呼吸を感じながら、いろんな声も入ってくる。聞かないようにしますけど、前向きなイメージの方が少ない。勝って正しい道を進めるように、関わりで前進させていけたら」
4試合目で白星を挙げ、自然と涙がこみ上げた。何より証明できたのは選手の力。「能力高い選手が揃っている。(3連敗は)僕が力不足と言わざるを得ない戦い方だった」。1勝がもたらしたのは勝ち点3だけではなかった。それでも勝負はここから。「積み上げていきたい」。金監督がそう目指すよう、これから先もこの喜びを重ねていかなければならない。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)