J1クラブでメンバー外も「海外に行きたい」 5年後に欧州名門へ…“自信家”の愛される素顔【見解】
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【専門家の目|太田宏介】名古屋時代の伊藤を語る「すごく可愛い後輩」
日本代表DF伊藤洋輝が、ドイツ名門クラブで堂々とピッチに立っている。25歳の日本人がバイエルン・ミュンヘンへ渡り、悔しい怪我から復帰。出場3試合目で初ゴールを決めた。名古屋グランパス時代に同僚だった元日本代表DF太田宏介氏は、“自信家”の伊藤の側面を明かしつつ、「すごく可愛い後輩でした」と躍進に笑顔を見せている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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伊藤は今シーズン、ドイツ1部シュツットガルトから名門バイエルンに完全移籍。25歳ながらヴァンサン・コンパニ監督も期待を懸けた獲得だったが、開幕前に右足中足骨を骨折し戦線離脱という不運に見舞われる。それでも現地時間2月12日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)セルティック戦(2-1)で途中出場を果たしデビューすると、15日の第22節レバークーゼン戦(0-0)で早速初スタメンを飾った。
23日の第23節フランクフルト戦(4-0)では移籍後初ゴールも決めており、現地の評価も上々だ。そんな伊藤が名古屋へレンタルされていた約1年間(2019年シーズン)、ともにプレーしていた太田氏は「当時からすでに『海外に行きたい』と言っていましたね。もうめちゃくちゃ自信家なので、名古屋で試合メンバーにも入れていない状況で『俺はもうヨーロッパしか見ていない。ここで出られなくてもいい』という感じでした」と強烈なファーストインパクトを明かしてくれた。
「でもすごい可愛かったですね。同世代とはあまり絡まず、僕や千葉(和彦)さん、長谷川(アーリアジャスール)とかとずっと一緒にいました。洋輝の“洋”はヨーロッパの洋じゃないですか。『ヨーロッパで輝くと書いて“洋輝”なのに、名古屋のメンバー外って何やっているんだよ!』と、みんなでからかっていたんです。けれどいつの間にか、ドイツのトップリーグで輝いている洋輝がそこにはいました」
当時20歳前後の可愛がっていた後輩が順調にステップアップし、ヨーロッパの舞台へ。今やスター選手の揃う名門バイエルンで主力を張っている。太田氏も誇らしげに「毎年おばあちゃんの家で作っている枝豆を送ってくれる、律儀でいいやつです」と、世界へ羽ばたいた伊藤の活躍を喜んでいた。
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太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。