浦和まさかの未勝利で…失点重ねたプレーに危機感露わ「十分ではない」「我々の強みだった」

スコルジャ監督が会見、クロス対応からの失点を問題視
開幕3戦未勝利と苦しむ浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督は、ここ2試合連続でクロス対応から失点を喫していることに危機感を語った。
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浦和はホームスタジアムの事情もありアウェーゲーム3連戦の日程になり、開幕戦こそ2連覇中のヴィッセル神戸と互角の印象を与える試合展開で引き分けたが、続く京都サンガF.C.戦は先制点を許す苦しい展開をラッキーな形の同点ゴールで辛くも引き分けた。そして、直近26日の湘南ベルマーレ戦は内容的にもかなり苦しい試合で1-2の敗戦。この結果、3試合を終え2分1敗で勝利がない。
3月2日にホーム開幕戦となる柏レイソル戦を控えスコルジャ監督は2月28日に定例のオンライン会見を実施。その中では、京都戦と湘南戦の失点がいずれもクロスからであることを問われ「クロス対応は我々の強みだったので、そのような失点があったことは少し気にしている。クロスからチャンスを作らせないのが我々だったが、ここ2試合はそのレベルが十分ではなかった。湘南戦はアーリークロスからだったが、相手をペナルティーエリア内でコントロールできていなかった。枚数はいたが相手を抑えられていなかった」と話した。
京都戦では失点場面のほかにも、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックの末に京都の得点が取り消された場面、GK西川周作が何とか弾き出した場面と、クロスから失点の危機を感じさせる場面が連発した。湘南戦は先制点の場面は左右に揺さぶられ、最後はファーサイドで押し込まれたもの。試合後会見では「低い位置でのディフェンスのところ、クロス対応のときには逆サイドのウイングが大外をケアするという守り方でしたが、前半はそこで遅れるという場面が多かった」と、対応の不備があったことを話していた。
そして、湘南戦ではコーナーキックからの失点と、こちらもVARのチェックでオフサイドにより取り消されたが、失点してもおかしくない場面があった。DFマリウス・ホイブラーテンと今季加入のブラジル人DFダニーロ・ボザはいずれも長身で強さはあるが、サイドバックとの間に入り込んでくる相手を捕まえられていないパターンも目立つ。そもそも、相手のクロスが何度もゴール前に入ってくる状態は好ましいとは言えず、チーム全体の機能性にも問題は出ている。
柏戦は2021年と22年に浦和を率いたリカルド・ロドリゲス監督が率い、昨季まで浦和で多くの試合にプレーしたMF小泉佳穂も加入して開幕3戦を2勝1分と好調。スコルジャ監督は23年に浦和の監督に就任したが、特に攻撃面で「リカルド監督の残してくれた素晴らしい仕事がある」と敬意を払っていた。対戦に向け「サイドチェンジも得意で、そのような時にシャドーを生かしている。焦れずにつなげるチームなので、ハイプレスを掛けにくいチームでもある」と警戒感を話した。
最終的にゴール前で自由にさせないことは重要な修正点だが、根本的な部分としてゲームをより自分たちのペースで進められる時間を長くできるか。浦和のスタッフによれば、28日時点でチケットの発券枚数は5万枚を超えているという。ホームの大観衆の前で、開幕3試合から改善された姿を見せたいところだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)