J2で“即インパクト“…「新戦力ベスト11」選出 昨季J3“二桁スコアラー”が39分間2発と躍動【コラム】

J2の新加入選手ベスト11を識者ピックアップ【画像:FOOTBALL ZONE編集部】
J2の新加入選手ベスト11を識者ピックアップ【画像:FOOTBALL ZONE編集部】

インパクトのある活躍を見せたJ2新加入選手をベスト11形式で厳選

 J2は開幕2節を終えた。“昇格組”のRB大宮アルディージャなど、5チームが連勝スタートを飾った一方で、新監督の下で再起を図る北海道コンサドーレ札幌やサガン鳥栖、2年連続で昇格プレーオフを経験したモンテディオ山形、そして愛媛FCが連敗スタートとなり、早くも明暗が分かれる序盤戦となっている。その中で、目立つのは新加入の選手たちの活躍だ。ここまでインパクトのある活躍を見せた新加入選手をベスト11形式で選んでみた。(文=河治良幸)

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 GKは 立川小太郎(FC今治)を選出した。そもそもGKが新天地でいきなりスタメンを掴むのは簡単ではないなかで、立川は2試合で1失点という堅守を支える。“昇格組”である今治の目下の課題は得点力となっているが、まずしっかりとした守備で大きな支えになって行きそうだ。一方で、昨シーズンのV・ファーレン長崎で主力を担った若原智哉(ジェフユナイテッド千葉)の活躍も期待されたが、キャンプ中に右膝を負傷。半年近い離脱が見込まれる中で、在籍7年目の鈴木椋大が意地を見せて、2試合クリーンシートで千葉を首位に押し上げている。

 最終ラインは3バックに。江﨑巧朗(ジュビロ磐田)はジョン・ハッチンソン新監督が掲げる“アタッキング・フットボール”を良質なパスとポジショニング、的確な守備対応で支えており、J2優勝を目標とする磐田に、早くも欠かせない存在になっている。山田奈央(徳島ヴォルティス)は22歳だが、同じJ2の水戸ホーリーホックでの4年間で徐々に存在感を高めての加入だけに、新天地でもいきなり守備の中心的な役割を果たしている。鳥海晃司(千葉)は5年ぶりの千葉で救世主的な存在に。J1でも十分に主力を狙えるタレントで、個人としての活躍は当たり前だが、2試合クリーンシートを支える統率面もさすがと言える。

 両アウトサイドは津久井匠海(水戸)と亀川諒史(レノファ山口FC)という左右非対称なチョイスになった。津久井は惜しくも敗れた開幕の磐田戦から鋭い仕掛けが際立っており、山形戦でもサイドから再三のドリブル突破を見せて決勝ゴールも記録。序盤戦にいきなり強豪との戦いが続く水戸にとって、勝利のキーマンとなっている。亀川は貫禄ある守備とタイミングの良い攻撃参加を持ち味とする。左右のサイドバックをこなせるマルチな仕事ぶりも目を見張るいぶし銀の選手だ。精神的な支柱だった前貴之が千葉に移籍したこともあり、心身両面で頼りになる。

 榊原彗悟(大分トリニータ)は横浜F・マリノスで徐々に出場時間を増やし、J1でのさらなる活躍も期待された中での大分加入。複数のポジションをこなせるポリバレントだが、ボランチで攻守の軸に定着することを考えれば英断と言える。質の高いボール捌きとバランスワークで保田堅心(ゲンク)や弓場将輝(清水エスパルス)が抜けた中盤を仕切る存在になっている。山口蛍(長崎)に関しては問答無用の選出だ。

 前線はジョアン・ヴィクトル(徳島)、倍井謙(磐田)、塩浜遼(ロアッソ熊本)の3人。J・ヴィクトルは右シャドーとして徳島の攻撃に明確なアクセントを加えており、渡大生のクロスに合わせたベガルタ仙台戦の決勝ゴールなど、早くも2得点を挙げている。23歳の倍井はJ1名古屋グランパスからの期限付き移籍での加入ながら、2試合連続ゴールで磐田サポーターのハートを掴んだ。水戸戦はジョルディ・クルークスの右からのクロスに飛び込む形、鳥栖戦はリカルド・グラッサからのロングパスに飛び出す形だった。まだ得意のドリブルからのゴールはないが、真のブレイクはここからだろう。

 昨季J3の福島ユナイテッドで16ゴールを挙げた塩浜はここまで2試合とも途中出場ながら、39分間で2得点。鋭い動き出しから、味方のラストパスにワンタッチで合わせる能力が非常に高く、ここまで1得点1アシストの大卒ルーキー半代将都など、誰と前線でコンビを組んでも、柔軟に効果的な仕事ができるだけに、さらなる活躍に期待が懸かる。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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