日本人が「世界有数のウイング」 際立った欧州での“進化”…「異次元の領域」示す驚愕の2発【見解】

ブライトンの三笘薫【写真:ロイター】
ブライトンの三笘薫【写真:ロイター】

【専門家の目|太田宏介】三笘は2025年に入って公式戦10試合5ゴールと好調

 イングランド1部ブライトンの日本代表MF三笘薫は、鮮烈な2ゴールも含め新たな境地を切り開いている。昨季とはまたプレースタイルにも進化が見られる三笘に対し、元日本代表DF太田宏介氏は「異次元の領域です」と、手放しで賞賛を送っている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 三笘は今シーズンここまで公式戦8得点。さらに2025年に入ってから、チームの上昇気流に乗り“10戦5発”と調子を上げている。現地時間2月14日のプレミアリーグ第25節チェルシー戦(3-0)では、GKの約70メートルロングフィードを収めカットインする衝撃の一撃を決めた。また22日の第26節サウサンプトン戦(4-0)では、40メートルほどの距離を独走し美しいループでネットを揺らす場面もあった。

 太田氏も「世界有数のウイングになってきていますよね」と、三笘の才能を絶賛。昨季までは左サイドで仕掛けることが多く、“ダブルチーム(敵2人にマークされる)”で対策され苦戦するシーンあった。そこから徐々にインサイドハーフ(IH)で攻撃に絡む場面が増加。世界に衝撃を与えたチェルシー戦のゴールでは、GKのパスからわずか数タッチでネットを揺らしている。

「ちょっと異次元の領域ですよね。相手からしたら『届かないだろう』という中で三笘選手の足が届いて、ファーストタッチで完璧にボールの勢いを吸収してしまう。そこから切り返すアジリティもプレミアトップクラス。マッチアップする選手からすると、最悪ですね。あのボールをピタリと収めるのは尋常じゃないスキルです」

 またサウサンプトン戦のゴールは、味方のポストプレーを予見してすでに3人目の動きで三笘は走りだしていた。太田氏も「周囲との距離感も良くなってきて、三笘選手が1つ楔のパスに対しインサイドでプレーする機会が増えてきました。40メートルほどのドリブル弾も、3人目のサポートに入ったところから生まれています」と考察。そのうえで、三笘の立ち位置が若干変化している点を挙げた。

「チームとして狙いをもって行っていますよね。普段の練習からしっかりトレーニングしているのだと思います。三笘選手もワイドのピースとして残るのではなく、インサイドでこうしたプレーに積極的に絡めるようになってきたのが、プレーの幅を広げている大きな要因だと思います」

 この結果、三笘の得点も増え公式戦4連勝。今後は移籍の噂も再燃しそうだが「本人が一番冷静に判断してそうですよね」と、太田氏は三笘を評価する。「めちゃくちゃ自己分析ができるタイプな気がします。移籍の選択も、どこだったら自分を一番活かせるかを理解しているのでしょうね」。こうしたプレー問わず“判断力”の高さが、今の三笘の躍進を支えているのかもしれない。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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