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DFに当たってゴールはオウンゴールではない? 意外と知らないサッカーの規則と定義【解説】
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正しいサッカールール&規則解説:第3回/オウンゴールの決め方
DFの選手が経験しがちな「オウンゴール(OG)」。一生懸命相手のシュートを防ごうとした結果なだけに、可哀相な気もします。ところで、サッカーではどんな場合に「オウンゴール」としてカウントしているのでしょうか。Jリーグでの「オウンゴール」はどう決められているのかをまとめました。(文=森 雅史)
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◇ ◇ ◇
守備側の選手に当たって入れば、すべて「オウンゴール」として記録されていた頃もありました。しかし、今はもっと細かく分類され「オウンゴール」とするケースは減ってきています。
まず、明らかに守備側の選手が自軍のゴールに蹴った時以外は、攻撃側の選手の得点になる、というのが原則です。そのため、シュートが守備側の選手に当たってコースが変わった場合、すべて攻撃側の選手の得点としてカウントされます。シュートがDFの背中に当たって入った時などは「オウンゴール」になりません。
シュートが明らかに枠内に飛んでいない場合でも、攻撃側が「得点しよう」と意図していると判断した場合は攻撃側の選手の得点となります。例えば、シュートがゴールポストの右に外れてしまったけれど、そこにいた守備側選手に当たって入った場合は、攻撃側選手の得点になります。
守備側選手が意図的にボールに働きかけて蹴り込んだ場合でも、攻撃側の選手の得点になります。シュートに走り込んで足を出して自軍のゴールに入った場合もオウンゴールにはなりません。
オウンゴールとして記録されるのは、明らかにシュートでないボールを守備側の選手が意図的にプレーした場合です。例えば、相手のパスをカットした時に、勢いがありすぎてゴールに飛び込んでしまったらオウンゴールになります。また、明らかにシュートでないボールが偶然守備側の選手に当たってゴールに入ってしまった場合もオウンゴールにカウントされます。
そして守備側選手の明白なミスによるゴールはオウンゴールです。時々、GKとの連係ミスで自軍のゴール方向に蹴ったパスがゴールに入ってしまうことがありますよね。この場合はオウンゴールになります。
また、攻撃側のシュートがゴールポストやバーに当たってピッチ内に跳ね返り、守備側の選手に当たってゴールした場合、跳ね返ったボールに対して守備側選手が「意図的に」プレーした場合はオウンゴールになります。クリアしようとしてミスした場合などですね。
一方で、跳ね返りのボールが守備側選手に「偶然」当たった場合は攻撃側の選手の得点になります。ポストからの跳ね返りが後頭部に当たってゴールインすることがありますが、これはオウンゴールではなく、攻撃側の選手の得点です。
偶然当たったとしても間接フリーキックで攻撃側の選手の蹴ったボールが守備側選手に当たってゴールした場合はオウンゴールになります。この場合、攻撃側の選手のシュートとしては記録されません。
何より大事なのは、得点者、オウンゴールの最終判断は、マッチコミッショナー、主審、実行委員が行うということです。もちろん、観ているほうは「今のオウンゴールじゃないだろう!」ということも起きますが、最後は人が決めるというのが非常にサッカーらしい側面です。
(森雅史 / Masafumi Mori)
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森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。