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日本人ファンがプレミア古豪へ貫いた“10年の愛” ホーム初訪問→異例のサプライズの経緯【インタビュー】

TAKU氏は初めてイングランドへ…1つのSNS投稿がクラブに届くまで
イングランド1部プレミアリーグで今季躍進を続けている“古豪”クラブがある。ノッティンガム・フォレストはリバプールやマンチェスター・ユナイテッドから勝利を挙げ、リーグ上位をキープ。そんなフォレストを10年追いかける日本人が、異例の“サプライズ”を受ける様子が世界中で話題となった。歓迎を受けたTAKU(たく)氏を直撃し、その経緯を深堀りしていく。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也/全4回の1回目)
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◇ ◇ ◇
「きっかけはウイニングイレブンでした」。人気サッカーゲームを入り口に、TAKU氏はノッティンガム・フォレストというチームを知った。TAKU氏は元々、ベガルタ仙台の試合を観戦するなどJリーグが入り口でサッカーにハマっていく。高校生の頃に出会ったフォレストを追いかける理由を、本人はこう語る。
「当時ジャイアントキリングという漫画にハマっていて、過去栄光のあるチームがもう一度這い上がるみたいなのが結構好きで、フォレストがまさにそんな感じだった。ゲームとしてもやりごたえあるなと。現実ではフォレストは2部で苦戦していたが、ゲームの中では古豪復活をコンセプトにUEFAチャンピオンズリーグ3連覇目標に掲げプレーし気付いたらどんどん(フォレスト)にハマっていきました(笑)」
1979年、1980年にUEFAチャンピオンズカップ(現UEFAチャンピオンズリーグ)を2連覇。まさに“古豪”と謳われるフォレストは、2022-23年シーズンから24年ぶりに1部リーグに戻ってきた。22-23、23-24年シーズンは降格圏争いを繰り広げていたが、今季は15節以降トップ5をキープ。まさに今季“古豪復活”が期待されるクラブの1つだろう。
10年の月日をかけてノッティンガムを応援してきたTAKU氏は11月下旬から約2週間、欧州リーグの試合観戦に向かう。フォレストのホームであるシティ・グラウンドの試合観戦が夢だったが、ぎりぎりまでチケットが取れなかった。
「チケットは僕みたいな一般の人が取れるのはもう3次応募からのような状態で。スタジアムは約3万人、歴史があり年間来場者数が96%も。街クラブなのでほぼ地元の人たちでチケットが完売してしまうんです。特に今季は好調で人気があって本当に苦労しました。リセールを待ち、本当に1か月何百という数のサイトにアクセスして、ようやくチケットが取れたのが、現地到着後。試合5日前の移動中のバスの中でした」
ホーム初参戦の投稿が現地ファンによって拡散された
念願のホーム戦は、現地時間2024年11月30日に行われたリーグ第13節イプスウィッチとの一戦だった。11月25日に、自己紹介もかねて英語で自身のX(旧ツイッター)の投稿をすると、予想以上の反響が起こる。当時フォロワーは4000人に満たないほど。それでも現地サポーターの拡散から、なんとクラブの“マーケティング責任者”にまでTAKU氏の情報が届く。
「投稿の次の日ぐらいにクラブの方がDM送ってくれて。最初は半信半疑でした。どんなサプライズを受けるかは当日まで分からなかったです。『とりあえず当日スタジアムに来てくれ』とだけ伝えられました」
こうしてチケットを手に入れたTAKU氏は、試合当日に大きなサプライズを受けることになる。スタジアムツアー、選手との交流、そしてシティ・グラウンドでのクラブアンセム「MULL OF KINTYRE」…。TAKU氏の応援してきた10年の愛が、現地ファン、そしてクラブ関係者を動かしたのだ。(第2回へ続く)
[プロフィール]
TAKU(たく)/1996年生まれ。Jリーグの生観戦を入り口に、海外サッカーにも強い関心を抱く。高校時代にサッカーゲームでイングランドのノッティンガム・フォレストと出会い、以降10年間追いかけ続けている。2024年に初めて現地に訪れ、SNS投稿がきっかけでクラブがサプライズを用意、その様子はクラブの公式YouTubeでも取り上げられ世界中で反響を呼んだ。現在はノッティンガム・フォレストを中心に、海外サッカーの情報を発信しながら、新たに現地観戦コンテンツを制作中。