CTFの代表取締役を務める山本氏は大学までサッカーを続けてきた

　2024年8月より、サンフレッチェ広島とのオフィシャルスポンサーとなった株式会社CTF GROUP（以下CTF）は、今季も広島をサポートする。CTFの代表取締役を務める山本真聖氏は4歳からサッカーを始め、大学まで邁進。その生い立ちや、現在に至るまでの過程に迫った。（取材・文＝FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也）

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「高校が瀬戸内高校というところで、2個下に安部裕葵選手（現浦和レッズ）がいました」

　広島出身の山本氏は、全国から猛者の集まる県内の高校に進学。3年生の時、東京からやってきた選手の1人に安部がいた。「当時1年生には関東から10人くらい瀬戸内高校に来ていて、その中でもAチームでも出ていました。やはり凄く上手でしたね」と、のちに鹿島アントラーズ、FCバルセロナ（スペイン）、浦和へと渡った安部がこの時から才能を示していたことを明かした。

　山本氏はその後、スポーツ推薦で専修大学へ。2014年には関東リーグ4連覇（56年ぶり史上4校目）を達成していた強豪校で、「全国から優秀な人が集まって単純に埋もれてしまいましたね。実力が足りないところはあったと思います」と、選手として挫折にも直面する。

「サッカーはずっと本気でやっていました。大学時代もいい経験になったと思います。選手ではない何か違う形で、サッカーに関われないかと考えた時に、まず僕は営業をやってみようと考えたんです。当時のベンチャー企業に就職し、2年半ほど働きました。会社が上場したタイミングで独立したという形です」

　2022年にCTFを自ら立ち上げ、2年後の夏には地元サンフレッチェ広島のスポンサーに名乗りを上げる。そんなCTFは元より「サンフレッチェ広島だけではなく、いろいろなスポーツチームのスポンサー開拓を営業支援の領域でお手伝い」してきた。そのノウハウを広島でも活かしていけることが、CTFの強みとなっている。

サッカーで学んだ“PDCAサイクル”＆“精神力”

　大学まで続けてきたサッカーと仕事で関わる立場になった山本氏。会社立ち上げまでも懸命に努力してきたが、その支えとなったのは長年愛した“サッカー愛”と自身の経験だった。

「プレーしてみて、駄目だった部分を分析して『次どうしようか』と考えて練習をする。そうして試合に臨む。このPDCAサイクルはビジネスにおいても大事なことだと思います。努力をして、分析をして、改善をして……。もう一回実行するような動きは自分自身に染みついているポイントで、サッカーを続けて来て本当に良かったと実感している部分ですね」

　また山本氏は「あとはどれだけ行動量をやれるかが大事。新卒の時もそうだったのですが、人の2倍、3倍は働こうという思いでやってきました」と、働くうえでの仕事のために労力を惜しまない姿勢もサッカーが教えてくれた。

「9時～18時が大体の人が働く時間ですが、それが終わったら後半戦という感じです。ご飯を食べてから19時から夜中の2時まで仕事して、翌日の6時に出社してというような生活を繰り返していました。行動量を人と比べて2倍、3倍にしても踏ん張ることができたのは、サッカーで懸命に努力してきた精神力も1つ要因なのかなと思っています」

　広島は昨シーズンリーグ2位。「悔しい気持ちは正直あります」と、タイトルを獲れなかった24年を振り返る。「ただシーズンを通してトップを走るのはかなり難しいです。昨年の選手の粘り強さ、諦めないところの精神力というのは本当に凄いなと純粋に見ていて思っていました。我々としてもそこに刺激を受けながら、ビジネスに生かしていきたいです」と、スポンサーとしても25年は“諦めない”思いを胸に、突き進んでいく。

[プロフィール]
山本真聖（やまもと・まさと）／1996年9月16日生まれ、広島県出身。4歳から大学までサッカーを続ける。国体（国民体育大会）では現サンフレッチェ広島の荒木隼人と同期。卒業後は2019年大手営業支援会社へ入社。21年に当時の東証マザーズへの上場を経験。22年6月にマーケティング全般のご支援を強みとした株式会社CTF GROUPを設立。24年8月より地元のサンフレッチェ広島とオフィシャルスポンサー契約を締結し、地域とクラブをつなぐ活動を行っている。