ハットは幻に…21歳逸材FWが歴史に名 主将で10番、ニア打ちぬく強心臓「入りそうな予感」

湘南は鹿島、C大阪を倒して2連勝
湘南ベルマーレは2月22日、J1リーグ第2節でセレッソ大阪と対戦し、2-1で勝利。開幕2連勝は実に1998年以来、27年ぶりの快挙で主役になったのが2ゴールのFW鈴木章斗だった。21歳ながら今季は10番、主将を担う大黒柱。ハットトリックは幻となったが、元韓国代表GKキム・ジンヒョンのニアを射抜いた一撃は「今日は入りそう」と感覚を信じてループから選択を変更する余裕さえあった。
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相手にボールを持たれながらも鋭い攻撃を繰り返していた前半32分。まずは湘南がゴールを割った。ペナルティーエリア内でパスを受けた福田がマイナスへ優しいパス。走りこんだ鈴木はダイレクトで突き刺す鮮やかな一撃を見せた。
さらに後半立ち上がりの6分、味方がボールを奪うとMF小野瀬康介のロングパスを受け、一気にエリアへ侵入。迷わず右足を一閃、相手は百戦錬磨のキム・ジンヒョンが立ちはだかるなか、狭いニアサイドを打ち抜いた。
「1点目は本当に翔生くんから受けたときに、本当にニアしか狙ってなかったというか、流し込めれば、いいとこに行くんじゃないかなと思っていましたし、本当にあの瞬間に入るなという感じはありました。2点目に関しては、初めキーパーが出ていたを見て、ループシュートで狙って打とうかと思いましたけど、何となく今日のシュートの感覚的にはペナルティーエリア内であれば今日は入りそうな予感がしたので、もう1個持ち運んで、うんそれもニアうまく、少し若干甘かったかもしれないすけど入って良かった」
鈴木の自信が積み重なっていった2得点。さらにもう1点、ネットを揺らしたが惜しくもオフサイドの判定だった。ハットトリックは幻に……鈴木は「2点目取ったあとは意識はしていました。今日は感覚が良かった」と研ぎ澄まされていた右足に胸を張った。
21歳で主将、10番。重圧はないのか。山口智監督は「若いのにとか思うかもしれないけど、そんなんで気負う選手じゃない。章斗らしくプレーしてくれているし、与えられたからではなく自分の中で芽生えてプレーしている」と絶対的な信頼を置く。本人も「10番にしたことによって自分にプレッシャーを与えていた。本当にベテランの選手がアドバイスもくれる」と、その役割をプラスに捉えている。
福田との2トップはJ屈指の破壊力を持つ。前回は中田英寿らが在籍した平塚時代までさかのぼる開幕2連勝。若きストライカーたちがその歴史に名を刻んだ。