代表選手も実感「これが日本のサッカー」 前体制と真逆…外国人指揮官がこだわる主導権
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なでしこジャパン北川ひかる「ボールを保持する大切さを改めて実感した」
なでしこジャパン(日本女子代表)は、現地時間2月20日に国際大会シービリーブスカップの初戦でオーストラリア女子代表に4-0で勝利した。なでしこ史上初の外国人指揮官ニルス・ニールセン監督の初陣を終え、DF北川ひかるとMF長野風花はボールを支配して主導権を握っていくのが新監督のサッカーという受け止めを話した。
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立ち上がりからボールを持つ時間を長くした日本は前半6分に長野のシュートを相手を背負いつつコースを変えたFW田中美南の得点で先制すると、その後も効果的な攻撃を繰り返して終わってみれば4-0と快勝。相手にボールを持たせながらカウンターを狙うプレーが多かった池田太前監督のラスト2年間とはかなり違う景色があった。
長野はニールセン監督の「やりたいサッカー」について「私たちの良さであるディフェンスや、1人1人がチームに貢献できる姿勢をすごく評価してもらっている。そのベースを継続しつつ、攻撃の部分でもっと自分たちが主導権を握りたいとよく監督も言っている。練習やミーティングでもそこを本当に強調している。自分たちがしっかりボールを持ちながら、真ん中にボールを集めて色々な選手が関わってゴールを目指すことを初日の練習から強調されていたので、そのようなサッカーを目指したいのだと思う」と話した。
実際に長野、MF長谷川唯、MF熊谷紗希の中盤は「一応の形はあるけどそれにとらわれずお互いを見てプレーして前に運ぶ」(長野)という言葉の通り、サイドの選手ともつながりながらボールタッチの回数を増やして前進した。U-17女子ワールドカップ(W杯)で大会MVPも獲得したことがある長野だが、これだけボールを持ってアイディアを出せる環境を代表チームで得たのは久しぶりだったかもしれない。
また、先制点につながるクロスを入れた北川は「日本の特徴というところでテクニックがあり、ポゼッションやパスワークがあると思う。しっかりボールを保持するのが求められているし、そうなれば守備の時間も減る。しっかりボールをつなぐ、持つ時間を長くするところからの得点やチャンスメークをするところが、今回の代表だと思う」と、新監督の狙いを受け止めている。
そのうえで「しっかり左右に揺さぶって、行けるときに行くという形だった。オーストラリア戦はボールを保持する大切さを改めて実感した。これが日本のサッカーと言ったらあれだけど、しっかり保持することで今回は4得点できているし、攻撃のバリエーションもそれぞれが良い立ち位置でパスを回せた。それが強みになると思う」と、自分たちがボールを持つことの効果を実感できたと口にした。
パリ五輪後、新監督の選定にあたり日本サッカー協会(JFA)の佐々木則夫女子委員長は「なでしこジャパンの良さは、そんなにパワーのなく世界的にも小柄な選手であるなかでも、攻守に連携、連動すること。守備もコンパクトにして前から積極的に守り、ボールを保持して相手を揺さぶって、なるべくゴールの近くまで運んで射止める」と話していた。ニールセン新監督の下でプレーしたのはわずか1試合だが、その方向性で全体が一致していることが感じられるゲームになった。
(FOOTBALL ZONE編集部)