遠藤航の株上昇…海外記者“手のひら返し”で絶賛「スロット戦術に合わないという見方は誤り」

リバプール遠藤の評価が一変、現地記者が再評価「間違っていた」
イングランド1部リバプールの日本代表MF遠藤航は今季就任したアルネ・スロット監督の下で先発の機会こそ限られているものの、シーズンが進むにつれて途中出場でも存在感を示し始めている。昨夏にフランスの名門マルセイユからのオファーが届き、遠藤を売却すべきと考えていたという現地のジャーナリストは「私が間違っていた」と手のひらを返して遠藤の活躍を称えている。
遠藤はユルゲン・クロップ前監督が率いた昨季は中盤戦以降、アンカーのポジションで不動の地位を築いた。だが、スロット監督はオランダ代表MFライアン・フラーフェンベルフをファーストチョイスとして起用し、遠藤はベンチを温める時間が長くなった。出場したとしても試合終了間際の数分間か国内カップ戦のみという状況がしばらく続いた。
それでも、昨年末から徐々にプレー時間が増え始めた。プレミアリーグでの先発の機会こそまだないが、終盤にリードを守り切る場面でのクローザーとして存在感を発揮し始めている。2月16日の第25節ウォルバーハンプトン戦(2-1)では押し込まれる展開の中で起用され、およそ20分の出場ながらマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
海外のデータサイト「FOTMOB」では遠藤に関する分析記事が公開され、リバプール専門メディア「This Is Anfield」に寄稿するジャーナリストのジャック・ラスビー氏が「私は間違っていた」と遠藤への評価について言及していた。
「遠藤はプレシーズンでの出場時間は安定したものの、リバプールが新たな6番獲得を押し進め、EURO後の休暇から戻ったライアン・フラーフェンベルフがすぐに先発イレブンに入ったことで明らかに立場が悪くなっていた。そのため、7月にマルセイユからオファーが届いた時、彼が次のステップに進むのは現実的に思えた」
同氏は、遠藤のマルセイユ移籍が浮上した当時に「リバプールの上層部は多少の損失があってもすぐに(遠藤を)売却するのが好ましいと考えるだろう」と主張する記事を自ら書いていたが、ここ最近の活躍によってそれが間違っていたことを認め、「FAカップとカラバオカップの常連の遠藤だが、途中交代であれ、先発であれ、特にレッズが僅差のリードを守りたい場面においてはその能力が高く評価されている」と称えた。
遠藤は今季、負傷者が続出していたセンターバックとしてもプレーして勝利に貢献した。公式戦21試合出場でのプレー時間は合計で680分あまりだが、献身的な姿勢と安定感抜群のパフォーマンスで欠かせない戦力となっている。ラスビー氏は「彼がスロット監督の戦術に合わないという見方は誤りだ」「遠藤の影響力を疑った筆者が間違っていたように、スロット監督が注目度の高い試合で遠藤によりスポットライトを当てないのは間違っているのかを問う価値は依然としてあるだろう」と日本代表キャプテンを再評価すべきと述べていた。
5季ぶりのプレミアリーグ制覇に向けて突き進むリバプールで、黒子としてチームを支える背番号3の奮闘から目が離せない。
(FOOTBALL ZONE編集部)