開幕戦で感じた“異変”「意外と完成度が高かった」 新監督の手腕に注目…元日本代表の順位予想【見解】
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【専門家の目|ハーフナー・マイク】新監督が就任した川崎とC大阪は共に開幕戦で大勝
オランダ1部リーグで通算51得点した元日本代表FWハーフナー・マイク氏が、今季のJ1順位予想を行った。開幕節をチェックした上で、例年とは違う“異変”を指摘。現在はJ2ヴァンフォーレ甲府のアンバサダーを務めるストライカーは、注目チームに川崎フロンターレとセレッソ大阪を挙げた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎)
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「やっぱり広島を中心に回っていくのかなと。町田がMF相馬(勇紀)選手の衝撃的な得点で勢いづく中で、逆転したのは底力を感じました。全体的に見てキャンプからやってきたことを開幕から出せたチームは3、4割でしたね。今年は監督が多く変わったので注目していましたけど、意外と完成度が高かったです」
今季は8チームが新監督になった。指揮官が変わったチームは戦術を浸透させるため、序盤は時間がかかるのが通例だが、意外にも8チームの開幕戦の成績は4勝2分2敗と結果を残した。中でも「フロンターレとセレッソは抜けていましたね」と2チームに注目。川崎は前評判の高かった名古屋グランパス相手に4-0の大勝を収めた。
「長谷部茂利監督は(アビスパ)福岡の時はもうちょっと守備重視の手堅いサッカーでしたけど、川崎では選手のクオリティーも変わって結構色々な得点パターンがありましたね。家長(昭博)選手がいなくてもこれだけ取れるというのは、今までになかった現象。中盤の3人が技術があって相当いいですし、FW山田新選手やDF高井幸大選手も風格が出てきた。優勝争いに絡んでくるかなと思います」
もう1チームのC大阪は、開幕戦で大阪ダービーに5-2で勝利。アーサー・パパス監督はアンジェ・ポステコグルー監督が横浜F・マリノスを率いていた時にコーチを務めていただけに、今までよりも縦に速い攻撃が印象的だった。
「縦にだいぶ速かったですし、いいサッカーしていましたね。サイドからも、真ん中からも色んなパターンがありましたね。それに開幕戦勝ったのに、オフなしというのもいいじゃないですか。『どんどん進化していくぞ』という表れというか。ちょっとオシムさん思い出しました。選手は大変でしょうけど(笑)」
昇格組のファジアーノ岡山は京都サンガF.C.を相手に2-0で勝利。18位に予想したが、J1でも十分戦えると分析する。J2甲府のアンバサダーとして活動するストライカーは、対戦相手として「大きく崩れることはないチーム」と見ていた。
「昨年も負けても1点差とか接戦が多かったですし、悪く言えば勝ちきれない印象が強かった。その中で江坂(任)選手が入ったのは大きいなと。まだ32歳だからベテランと呼んでいいか分からないけど、クオリティーも、存在感もちょっと抜けていた。苦しい戦いが多くなるとは思いますけど、しっかり勝ち点を拾っていけるので、面白い存在になるかなと思います」
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ハーフナー・マイク
ハーフナー・マイク/1987年5月20日生まれ、広島県広島市出身。2006年に横浜F・マリノスの下部組織から昇格。福岡、鳥栖への期限付き移籍を経て、2010年に甲府に完全移籍。2011年にJ1で日本人トップの17得点を挙げ、日本代表に初選出。2012年1月にオランダ1部フィテッセに移籍。スペイン1部コルドバ、フィンランド1部ヘルシンキを経て、15-16シーズンはオランダ1部デン・ハーグに加入し、16得点を記録。その後は神戸や仙台などを経て、2022年に現役引退。日本代表は通算18試合4得点。現在はJ2甲府のクラブアンバサダーに就任し、ホームタウン活動やスクールコーチを務めている。