中国名門の起こした“異例事態”「ACLEが混乱に陥る可能性」 棄権→大会撤退、今後の問題点
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山東泰山が蔚山戦を棄権
アジアサッカー連盟(AFC)は2月19日、山東泰山(中国)が同日開催予定の2024-25年AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)リーグステージ最終節・蔚山(韓国)戦を棄権すると発表した。異例の事態となった今回の件を受けて米スポーツ専門局「ESPN」は「ACLEが混乱に陥る可能性」と大々的に報じている。
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19日に行われる予定だった蔚山戦を棄権したことで、山東泰山がACLEの大会自体から撤退することが決定。大会規定の5.6条では「大会開始後に撤退したクラブのすべての試合は無効とされ、記録から抹消される。またその試合での勝ち点やゴールは、リーグの最終順位(第8.3条)を決定する際に考慮されない」とされている。
新フォーマットとなった今大会では、リーグステージに24クラブが出場。2つのリーグ(西地区、東地区)に12クラブずつ分かれ、各リーグ内の異なる8クラブとホーム4試合、アウェイ4試合ずつ対戦している。Jリーグからは川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸が参戦しており、すでにリーグステージ突破が決定している。
「ESPN」は大会規定に則った場合、「同国の上海港と上海申花、タイのブリーラム・ユナイテッドの3チームが8試合を戦ったことになるが、残りの8チームは7試合しか戦っていないことになる」問題点を指摘する。AFCの発表では「今後、必要に応じて関連するAFC委員会に付託され、決定が下される予定」とされているなか、「ESPN」は独自に解決策を2つ提示した。
1つは、「大会の規則や規定に完全に従ってはいないが…」と前置きしつつ「蔚山に3-0の勝利を与える」案。「蔚山はすでに敗退が決定しているため影響はない」としつつ、「おそらく、山東が絡むすべての試合で3-0の勝利が相手に与えられるべきなのだろう。だが山東泰山と対戦しなかった3チームが不平等を主張する可能性もある」と、危惧すべき点も指摘している。
もう一方は「山東泰山は撤退により自動的に最下位となる。最下位チームと対戦した試合の結果を最終順位から除外する方法」を提案している。「上海海港、上海申花、ブリーラム・ユナイテッドの3チームは、現在の最下位であるセントラルコースト・マリナーズと対戦しているため、これらの試合結果も最終順位から除外されることになる」と説明した。
先述した2つを提示したなか、同メディアはあらためて「いずれにせよ、山東が今晩の蔚山戦を欠場したことで、ACLエリートが混乱に陥ったことは間違いない。AFCがどのような解決策を打ち出すのか。多くのクラブがAFCの判断を、固唾を飲んで見守ることとなる」と、中国名門クラブが発端となった“異例事態”の混乱を報じていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)