得点王目前も…新加入選手に「譲りました」 欧州注目の24歳、小柄でもゴール量産の理由【インタビュー】

シント=トロイデンでプレーするアドリアーノ・ベルタッチーニ【写真:(C) STVV】
シント=トロイデンでプレーするアドリアーノ・ベルタッチーニ【写真:(C) STVV】

シント=トロイデンのベルタッチーニ「チームが勝つことが最優先でした」

 日本人選手が7人所属しているベルギー1部シント=トロイデンVVで、新エースとして得点を量産しているのがFWアドリアーノ・ベルタッチーニだ。今季23試合に出場して12ゴールを奪い、得点ランキング3位。注目を集めるベルギー出身の24歳が、活躍の秘訣を教えてくれた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全4回の2回目)

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「自分が一番大事にしていることは、一生懸命にサッカーに取り組むこと。特に自分は身長も高くないと理解していますが、ピッチに立ったらそんなことは関係ないので、どのゲームでも勝たなければいけない。そのためにも、時間を一瞬たりとも無駄にせず、日々トレーニングに取り組みたいと思っています」

 身長173センチと、同僚の日本人選手たちと並んでも小柄な印象を受けるベルタッチーニ。しかし、ピッチに立つと縦横無尽に走り回り、その存在感は他を圧倒している。鮮やかな黄色と青のユニホームはいつも真っ黒。クラブで伝統的に愛されてきた泥臭いタイプのスター誕生に、地元ファンも熱狂している。

 第23節のロイヤル・アントワープ戦ではスタメン出場したが、得点を奪えずにホームで痛恨の引き分け。1-1の後半37分に交代を命じられると、ベンチで怒りをぶちまけた瞬間も映し出された。ベルタッチーニは、「コーチに当たり散らすというよりは、やっぱり自分自身がとても悔しい思い」と心中を明かす。

 同じ試合の前半早々、DF小川諒也のスローインを相手選手がペナルティエリアでハンド。得点ランキングでトップ目前だったベルタッチーニがPKを蹴るかと思いきや、蹴ったのは新加入のFWディディエ・ランケル・ゼ。一度は相手GKに止められるもランケル・ゼが押し込むと、2人でパフォーマンスも披露した。

「得点ランキング1位になることが、必ずしもトッププライオリティではないです。自分のなかで大事にしていることは、チームの勝利にどれだけ貢献するかということ。その1つの分かりやすい例で、PKを自分で蹴られるシーンがあったときに、ランケル・ゼに譲りました。チームが勝つことが最優先でした」

 ある意味、日本人にも共感を呼びそうなチームプレーの精神を持つベルタッチーニ。「自分の長所とするところは、スピードの部分です。スピードが速いというところとゴールのところ。そのストロングポイントでこれまでやってきたので、そこを見てほしいです」と日本のファンにメッセージを送ってくれた。

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