柿谷曜一朗が語った三笘薫 トラップの天才が見た“超絶技術”…70mパスなぜ止められた?【見解】

ブライトンの三笘薫【写真:ロイター】
ブライトンの三笘薫【写真:ロイター】

【専門家の目|柿谷曜一朗】三笘薫の衝撃トラップに見解

 日本代表MF三笘薫のトラップには世界中が賛辞を送っている。現地時間2月14日、プレミアリーグ第25節チェルシー戦でスタメン出場し、GKから送られた“超ロングフィード”を卓越なトラップで収めネットを揺らした。この技術を現役時代“ジーニアス”と称された元日本代表FW柿谷曜一朗氏が解説。トップスピードを維持する理由も「だから速い」と説明した。トラップの天才が見た三笘のトラップとは――。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 世界に衝撃を与えているプレミア屈指のウイング三笘。チェルシー戦の前半27分、GKバルト・フェルブルッヘンの70メートル超えのロングフィードに抜け出し右足でピタリと足元へ収める。中へ切り込み相手を剥がすと、ペナルティーエリア(PA)手前から放ったシュートでネットを揺らした。

 このトラップは国内外で大絶賛されている。現役時代、多くの美トラップでファンを魅了してきた柿谷氏は、取材中に「それより……三笘くんやん!」と自ら切り出した。

「しなやかやったね。止めた瞬間にピタッって止まったから次の右足で外に行けた。三笘くん、あのコースのシュートそんなに得意じゃないと思うけど、あれだけトラップがキレイに決まればシュートも気持ちよく振れるよね」

 後方からの超ロングパス。かつて柿谷氏も2013年J1リーグ第5節鹿島アントラーズ戦でGKキム・ジンヒョンからのトラップしてシュートにつなげたことがあった。うしろからのボールをトラップする時、脳内はどうなっているのか。

「(三笘のは)うしろからやけど実はちょっと見ながら走っているし、最後は横。それでももちろん難しい。トップスピードを落とさずに止めるのは、まさに理想どおりやったんちゃうかな。だからそのあとの右にいくのも速い。俺やったら2タッチ目で1回止まって、この次のプレーで何かをしようとするけど、あれを決めるのはちょっと俺と違う。三笘くんが元々持っているスピードもあるから」

 トラップの天才も絶賛した高技術。三笘の足首のしなやかさ、スピードは“ジーニアス”にとっても驚きだったようだ。

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柿谷曜一朗

柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう)/1990年1月3日生まれ、大阪府大阪市出身。セレッソ大阪の下部組織から16歳でプロ契約。徳島ヴォルティスやスイス1部バーゼル、名古屋グランパスでもプレー。U-17W杯で2得点し活躍した。13年東アジアカップで得点王、14年ブラジルW杯に出場するなど国際Aマッチ18試合5得点。華麗なトラップ、ゴールで人々を魅了し、「ジーニアス」と称された。24年限りで現役を引退し、解説やメディア出演など幅広いマルチな活動をしている。

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