931日ぶりのJ1弾「J2で遊んでいたわけじゃない」 苦い過去も「2年間の答え合わせのようなもの」

決勝ゴールを決めた北川航也【写真:徳原隆元】
決勝ゴールを決めた北川航也【写真:徳原隆元】

清水FW北川航也は因縁対決で決勝弾

 清水エスパルスは2月16日のJ1開幕戦で東京ヴェルディに1-0の勝利を収めた。3シーズンぶりに復帰したJ1の舞台で904日ぶりの勝ち点3となったが、決勝ゴールを決めた主将のFW北川航也は「J2の期間も遊んでいたわけじゃない」と、2年間チームが積み上げてきた自信を話した。

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 5万5000人を超える大観衆が集まった国立競技場での一戦は、2023年のJ1参入プレーオフ決勝の再戦となった。1年でのJ1復帰に手が届きかけていたところからのPK献上により昇格を逃して東京Vの歓喜に沸く姿を見つめた過去は、このカードが決定した時からリターンマッチとしての話題を集めるのに十分だった。清水のサポーターはアウェーのゴール裏スタンドには入りきらないほどが集結し、リベンジに燃える雰囲気があった。

 北川自身は「因縁の戦いやプレーオフ決勝の再来というのは、徐々にそういう声が大きくなったけど、自分は冷静でしっかり地に足を着けて戦うだけだと思っていた。ただ、サポーターやクラブの思いを背負って戦わないといけないというのは一番に思っていた」と、そのカードへの思いを話した。

 スタメン起用された北川は前半40分に大仕事を果たす。DF蓮川壮大から右サイドの背後へフィードに前後を入れ替わる動きで相手守備陣の裏を突いたDF高木践が抜け出すと、中央へラストパス。これをフリーになっていた北川が難なく頭で押し込んだ。北川にとっては931日ぶりのJ1でのゴールで、これが決勝点になった。

 北川は23年4月から指揮を執る秋葉監督とチームについて「チーム全体を見てもやれない印象はないし、やれると自信を持って言えると思う。J2の期間も遊んでいたわけじゃないし、厳しい中でも勝っていくことは非常に難しいし大事なこと。最後まで切らさないことも学んだ」と話す。

 とはいえ、その自信も勝利という結果を手にしたことで深めることができる。「チームにとって非常に大きなもので、J2での2年間の結果の答え合わせのようなもので、J1での結果が全てだと思っていた。J2でやってきたことにプラスアルファの積み上げができれば、間違いなくJ1で戦える。そういう組織、戦術、フィジカルを鍛えてきた。自信を持って戦っていけると思う」と、開幕勝利の意義を話した。

 どのチームにとっても半信半疑なのが当たり前の開幕戦、それも昇格から一戦目となればなおさらだが、そこでリベンジを果たす勝利を得たことは清水にとって単なる1勝を超えた価値を持つことになりそうだ。

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