柿谷曜一朗の名解説…「パス出すな」 25歳後輩へ言葉の真意を直撃
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大阪ダービーで5点目を奪った中島元彦の成長
セレッソ大阪は2月14日にJリーグ開幕戦でガンバ大阪との“大阪ダービー”で5-2の大勝を飾った。ライバルの戦意を喪失させた5点目のMF中島元彦がシュートを放つ際、「DAZN」の解説を務めていた元日本代表FW柿谷曜一朗氏が「パス出すな」と話していたことが話題に。FOOTBALL ZONEの解説も務める柿谷氏にその“真相”を聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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大阪ダービーでは開始7分で20歳のMF北野颯太が先制点を奪う。同点とされるも後半開始早々には再び北野が決めて勝ち越しに成功。その後2点を追加して、途中出場の中島が見せたのは後半アディショナルタイム。相手のクリアミスを拾って抜け出した中島は、キックフェイトでDF中谷進之介をかわし、さらにスライディングしてきたDF福岡将太も冷静にかわし、最後はGKの逆を突いて左足で流し込んだ。
この時、DAZNの解説を務めていた柿谷氏は「パス出すな、パス出すな」とコメント。中島も自らドリブル突破の選択をし、ゴールを決めたあとに柿谷氏が「そうやな、お前は」と話したことが話題となった。柿谷氏の意図はなんだったのか。
「ゴールという形が今の時代は一番やと思うけど、別に元彦は右足で振りぬいて点を取っても良かった。切り返してあんなキレイなゴールを決めてほしかったわけじゃないけど、ゴールを取れる選手やから。あんな器用なことせんで良かった、本当は(笑)。パス出さんとシュート打てよ、という意味だった」
この一戦では20歳の北野が2ゴール1アシストと大活躍。後輩が飛躍するなかで、今季から柿谷氏やMF南野拓実らがかつて背負った13番を付ける中島はベンチスタートだったが、“気持ち”が見えるゴールだった。
「年齢で言うと俺と(南野)拓実みたいな感じなんかな。(中島と北野が)5歳ぐらいの差で。俺はもし拓実があれだけ活躍していたらイラついてしょうがなかったけど(笑)。試合の状況的に守備で入ったと思うけど、自分に来た時にあれだけ冷静にプレーできるというのは、もう今までの賜物やろうな」
柿谷氏と南野と同じ、5歳差の中島と北野。中島は昨季までベガルタ仙台で3シーズン過ごし、一回り成長して戻ってきた。
「自信を付けて帰ってきたと思う。でも、次の試合展開はどうなるか分からない。スタメンは変わらないかもしれないし、ハットンが悪かったわけでもないし。でも途中から出てきたときに何ができるか。ハットンも刺激になったと思うしね」
古巣で奮闘する25歳の後輩に期待を寄せた柿谷氏。中島の今シーズンに注目したい。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)
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柿谷曜一朗
柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう)/1990年1月3日生まれ、大阪府大阪市出身。セレッソ大阪の下部組織から16歳でプロ契約。徳島ヴォルティスやスイス1部バーゼル、名古屋グランパスでもプレー。U-17W杯で2得点し活躍した。13年東アジアカップで得点王、14年ブラジルW杯に出場するなど国際Aマッチ18試合5得点。華麗なトラップ、ゴールで人々を魅了し、「ジーニアス」と称された。24年限りで現役を引退し、解説やメディア出演など幅広いマルチな活動をしている。