久保建英と“同門”の天才児…19歳日本人MFに「びっくり」 恩師が明かす秘話【インタビュー】

日本代表としてU-20アジアカップを戦っている石井久継【写真:2025 Asian Football Confederation (AFC)】
日本代表としてU-20アジアカップを戦っている石井久継【写真:2025 Asian Football Confederation (AFC)】

U-20アジア杯初戦で先制弾の石井久継…恩師・木場克己氏が明かす秘話

 U-20日本代表は2月14日、U-20アジアカップグループステージ初戦でU-20タイ代表と対戦し、3-0の勝利を収めた。この試合で貴重な先制点を決めた19歳のMF石井久継(湘南ベルマーレ)は体幹トレーナーの第一人者として知られるプロトレーナーの木場克己氏(COREトレSTUDIO)の愛弟子。レアル・ソシエダの日本代表MF久保建英も師事する木場氏に薫陶を受けてきた逸材について、恩師が秘話を語ってくれた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
 
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 9月に開催するU-20ワールドカップ出場を目指すU-20日本代表で貴重な先制点を叩き出したのは、久保と同門の天才児だった。前半14分、自ら放った強烈なシュートからの流れで生まれたコーナーキックのチャンスで、石井はこぼれ球を押し込んだ。

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「攻守に貢献していたのが本当に嬉しい。ドリブルでキレも出ていたし、球際での強さも見られました。『今年は化ける』と自主トレで彼が話していた勝負の年で、意気込みを感じましたね」

 木場氏は目を細めながらこう話した。タイ戦勝利とゴールを祝うメッセージを送った木場氏の携帯電話には、石井から「だいぶキレが出てきました。毎日やり続けます」という手応えの返答が早速届いた。

 岡山県で「未来モンスター」「天才少年」と呼ばれ、幼少期から嘱望されてきた石井は小学3年時に都内の木場氏の経営するジムの扉を叩いた。それから10年間、木場氏の生み出した「木場トレ」と呼ばれる体幹を強化し、身体のバランスとアジリティーを高める木場氏のメソッドに取り組み続けている。トレーニング愛の高まりから小学4年時には書き初めで「コバトレ 体幹」と力強く記し、学校に提出したという逸話の持ち主でもある。

「書き初めは、さすがにびっくりしました。どれだけトレーニングが好きなのか。クリスマスプレゼントのお願いもファンクショナルマットと言っていましたから、どこまでもストイックです」

 かつて木場氏の練習に欠かせない特製マットをサンタクロースにねだったという石井は、木場氏の指導を受けているレアル・マドリードからラージョ・カンタブリアに期限付き移籍中のMF中井卓大と合同トレーニングで汗を流したこともある。

木場克己氏(左)が考案の専用メニューでトレーニングに取り組む【写真提供:COREトレSTUDIO】
木場克己氏(左)が考案の専用メニューでトレーニングに取り組む【写真提供:COREトレSTUDIO】

久保建英の19歳時メニューをベースにアレンジ…動作強化のテーマは?

 進化を目指す石井は1月8日、恩師と都内の自主トレで始動した。

「今年は月に2度ペースで直接指導する予定です。すでに毎朝のルーティンは確立していますが、ツグ専用のトレーニングメニューを作成しました。重心を低く保ちながらも、コンタクトやターンで軸がぶれない身体作りです。方向転換、動き出しでさらにプレーにキレさを出していく狙いです」と木場氏は明かす。

 木場氏が開発したサッカーに関する動作の強化に特化した「CBAフットボールプラス」というメソッドで、毎朝動画を見ながら、石井は日々研鑽を重ねているという。

 日本代表のエースに成長した同門の先輩が駆け抜けた道でもある。「ツグもタケフサ同様にドリブルが得意なタイプ。タケフサが19歳の時にこなしていたメニューをベースに、プラスアルファでツグ用にアレンジしています。切り返しや一瞬のキレを出すために、脇腹、お尻、膝周りの強化することがテーマです。体格の大きな海外の選手と競り合う時の強さも強化しながら、股関節の柔軟性も向上させていきます」と木場氏は語った。

 久保が4年前に日々取り組んだレシピで石井はさらなる進化を目指す。

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