大迫勇也へ「タクティカルなファウルをした」 浦和新加入DF、デビュー戦で王者“封殺”
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西川も絶賛した浦和の新加入ブラジル人DFダニーロ・ボザ
今季のJ1浦和レッズに加入したブラジル人DFダニーロ・ボザは、2月15日のリーグ開幕戦ヴィッセル神戸とのアウェーゲームにフル出場して日本デビューを果たした。相手FW大迫勇也に厳しく当たりにいったプレーについて「戦術的なファウルとも言えます」と、したたかな駆け引きを仕掛けていた。
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ボザは1月末にブラジル1部ジュベントゥージからの加入が決まり、1月30日の沖縄キャンプ最終盤にチームへ合流。そこから2週間強で迎える開幕戦だったが、マチェイ・スコルジャ監督は13日の記者会見で「プレーすることによってコンディションを上げるということは一つのやり方だと思います。ダニーロに関してはフィジカルの面では心配していません。どちらかと言えば(西川)周作を含めた周りの選手との相互理解のところです」と、起用を示唆していた。
実際にスタメン出場すると、FW大迫勇也とFW武藤嘉紀に対角線のロングフィードを入れてくる典型的な神戸の攻撃をDFマリウス・ホイブラーテンとともにかなりシャットアウトした。セカンドボールの回収に強みを持つダブルボランチの起用だったことも併せ、特に前半は神戸にほとんどチャンスを作らせなかった。
デビュー戦を無失点で終えたボザは「神戸は昨年のJ1リーグチャンピオンですし、前線の選手が日本代表レベルの選手でした。個人としてもいい試合ができたと思っていますが、それは自分とマリウスだけではなく、全員で相手のストロングポイントを消せたからだと思っています」と冷静に試合を振り返った。
そうした中でも、試合開始直後の1プレー目で大迫に縦パスが入る瞬間にファウルを辞さず激しい当たりを見せるなど、要所で駆け引きも見せた。「戦術的なファウルとも言えますし、サッカーの中ではファウルしてもOKというプレーはあります。ああいうところでキープされるのは良くないので、相手の攻撃を消すためにタクティカルなファウルをしました」と、したたかに神戸の攻撃がスピードアップする起点を潰した。
西川はボザについて「全てにおいてレベルが高い」としたうえで、「ヘディングの強さは空中で伸びるように感じる」とも話した。時速36キロを記録したという武器のスピードが際立つ場面はこの試合で訪れなかったものの、ボールコントロールの安定感もあり総合力の高いセンターバックであることは十分に見せた。
J1屈指の前線アタッカーたちを封じ込んだボザは、2023年のJ1最少失点を導き「神」とも称されたDFアレクサンダー・ショルツが去った浦和に、新たな赤い壁として君臨しそうな気配だ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)