悲願の舞台、32歳が“ピッチの王様” 異国での経験を発揮…歴史的1勝で示した「自分たちはできる」

攻撃の中心になり続けた江坂任【写真:徳原隆元】
攻撃の中心になり続けた江坂任【写真:徳原隆元】

江坂任は仲間を生かすパスで相手の脅威となった

 今季からJ1に初昇格したファジアーノ岡山が2月15日、開幕戦で歴史的な初勝利を挙げた。京都サンガF.C.とホームで対戦して2-0の完勝。韓国1部蔚山HDから新加入のFW江坂任は“ピッチ上の王様”として君臨し、効果的なプレーを発揮。流れを変える技ありのパスで追加点を2点目を演出し、チケット完売・1万4574人のファン・サポーターに悲願のJ1初白星を届けた。

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 あまりにも頼もしい背番号8の姿がそこにあった。超満員のホームJFE晴れの国スタジアムを沸かせたのは1点リードの前半36分。江坂は中央から右サイドのMF柳貴博へピンポイントのパスで展開。柳が頭で落とすと走りこんだFW木村太哉が右足を合わせて追加点を奪った。

「背後のところは結構狙っていた。優位性もありましたし、自分ところでも意外とハイ(ポジション)が取れたので、そこからチャンスもありましたし、自分のパスからゴールも生まれた」

 経験で牽引した。スタメン11人で4人がJ1初出場。2点目をゴールした木村はJ1初ピッチだった。クラブとして念願のJ1舞台。どうしても開幕戦は勝ちたかった。

「あまり経験がないチームなので、押し込まれる時間帯とか落ち着かないゲームになるなというのはあった。我慢しながら守ろうという話はしていた。練習試合からJ1相手にできる部分も感じたので、それを開幕でどう感じるのかというのがあって。自信になると思うし、ファン・サポーターにも自分たちのチームはできるんだというところを思ってもらえたら」

 ザスパクサツ群馬でキャリアをスタートさせ、大宮アルディージャ、柏レイソル、浦和レッズとJリーグでプレーし、2023年に渡韓。蔚山HD(当時・蔚山現代)で新たなキャリアを切り開いた。異国での初挑戦では個の突破力をさらに磨き上げた。約3年ぶりの日本。その技術は衰えることなく、さらに熟練されていた。木山隆之監督も「我々に時間とスペースを与えてくれる、起点をつくってくれるので彼の存在は本当に大きい」とべた褒めする。

 32歳になった江坂が示したのは「岡山ここにあり」。これから続くJ1の長い長い道のりで先頭に立って光を照らし続けるはずだ。

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