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地元Jクラブが「誇りとなる存在」 創業2年でスポンサー就任、国体同期と再会も「刺激をもらった」【インタビュー】
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24年8月に株式会社CTF GROUPが広島の新スポンサーに…山本代表は地元出身
株式会社CTF GROUP(以下CTF)は、2024年8月にサンフレッチェ広島とのオフィシャルスポンサー契約を結んだ。25年シーズンも契約を更新し、広島を後方からサポートする。CTFの代表取締役を務める山本真聖氏が秘めたクラブへの思い、そして半年間スポンサーとして見た広島の姿を追う。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)
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◇ ◇ ◇
広島で生まれた山本氏は、地元クラブのサンフレッチェ広島に“スポンサー”として関わることになる。2022年6月に立ち上げたCTF。シーズン途中だった昨夏に「スポンサーになろう。早いに越したことはない」と思い立ち、すぐに行動を起こした。
広島を選んだ理由は「地元で育った私にとって、クラブが地域の象徴であり、誇りとなる存在だったから」。大学までボールを追いかけていた山本氏は「サッカーが私に与えてくれた影響の大きさを感じ、ビジネスとして還元したい思いを抱えていました。クラブの成長や広島の地域発展に少しでも貢献できるのであれば、これほど嬉しいことはありません」と、経営者としてサッカーに関わる新たな挑戦に、笑みを見せた。
広島は24年シーズン躍動しJ1リーグ2位。惜しくもヴィッセル神戸との優勝争いに敗れてしまったが、「クラブとともに未来を創り上げていく」という使命感の下、激動の半年間を山本氏の経営するCTFはスポンサーとして支えてきた。
社内にはサッカー経験者も多い。ガイナーレ鳥取に在籍していた社員もいれば、元々ドイツでサッカーを続けていたメンバーもいる。「中学、高校のサッカー部時代の人脈も使い、会社立ち上げ時は知り合いにたくさん声をかけさせていただきました。自然とサッカー好きが集まっていましたね」。自らが歩んだ道で広がった輪が、ここまでつなげてくれていた。
「オンラインの商談など、サンフレッチェ広島のスポンサーをしているとサッカーの話で盛り上がったりして、仕事につながったりしています。スポンサーをやらせていただいて会社としても良かったなと思います」
2024年末には、スポンサーが集まる会で選手とも交流。山本氏が国民体育大会でともにプレーした選手も広島には在籍しており、特に荒木隼人は同期だった。「軽く話したりはしましたね。活躍を見て、またちょっと違った刺激をもらっています」と、嬉しそうに語っている。
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2025年も継続してスポンサー契約を更新
2025年も継続してスポンサー契約を更新しているCTF。山本氏も「日本サッカー界を盛り上げるためにまず、競技レベルの向上だけでなく、地域密着型のクラブ経営をさらに強化することが重要です」と使命を感じている。
「地域住民とクラブの距離を縮めるために、イベントや地域活動を積極的に行い、クラブが地域の中心的な存在となる仕組み作りが求められます。また、スポンサーとしては、単に資金を提供するだけでなく、クラブとともに価値を創り出すパートナーシップを築くことが大切です。若い世代のファン育成も重要な課題。サッカーが未来の世代にとって夢や目標となるような活動をサポートすることで、日本サッカー界全体を底上げできると考えています。
またクラブへの価値が提供できるところがあれば、引き続き続けていきたいです。我々も中小企業の経営者の方の人脈は割と広い方ではありますので、そこに対して一緒に盛り上げていきましょうというふうな声掛けであったりとか、認知を広めていく動きに関してはまだまだできるかなと思っています。両軸で進めていきたいですね」
山本氏にとって、憧れの選手は昨季限りで現役を引退した元日本代表MF青山敏弘氏だった。実際に子供の頃スタンドから見ていたスターは、引退後のスポンサー会で1人1人にサインの色紙配ってくれたという。「やはり自身の立場は変わっても、目の前にするとファンはファンになりますね(苦笑)」と、経営者としての姿だけではなく、たった1人のサポーターとしての一面も見せていた。
[プロフィール]
山本真聖(やまもと・まさと)/1996年9月16日生まれ、広島県出身。4歳から大学までサッカーを続ける。国体(国民体育大会)では現サンフレッチェ広島の荒木隼人と同期。卒業後は2019年大手営業支援会社へ入社。21年に当時の東証マザーズへの上場を経験。22年6月にマーケティング全般の支援を強みとした株式会社CTF GROUPを設立。24年8月より地元のサンフレッチェ広島とオフィシャルスポンサー契約を締結し、地域とクラブをつなぐ活動を行っている。
(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)