「まだ涙が出そう」 話題沸騰、“奇跡の女性サポ”が見届けたJ1初勝利…振袖で観戦の過去も

ファジアーノ岡山が開幕節で歴史的な初勝利!【写真:徳原隆元】
ファジアーノ岡山が開幕節で歴史的な初勝利!【写真:徳原隆元】

SNSで大きな話題となった岡山サポーター「もえ」さんが初めてのJ1に喜び

 今季からJ1に初昇格したファジアーノ岡山が2月15日、開幕戦で初勝利を挙げた。京都サンガF.C.とホームで対戦して2-0の完勝。歴史的な一日を“奇跡の女性”も見届けた。昨年のプレーオフ決勝で、地元テレビ局の情報番組が9年前の涙と比較して歓喜の映像に収められたシーンが話題となった岡山サポーター。“初J1”を心から楽しんだ。

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 話は昨年にさかのぼる。12月7日に行われたJ1昇格プレーオフ決勝。ホームで臨んだ決戦に2-0で勝利し、岡山はクラブ史上初のJ1昇格を掴んだ。2016年の昇格プレーオフ決勝で敗退してから9年。当時、セレッソ大阪と対戦した悔しい一戦も観戦していたのが岡山のサポーターで25歳のXユーザーネーム「もえ」さんだった。

 “奇跡の出来事”はSNSを通じて多く拡散された。昨年、岡山の昇格を伝えた地元テレビ局「KSB瀬戸内海放送」の情報番組で、9年前に涙を流す姿と、J1昇格を喜ぶ姿が放送された。同局のディレクターが9年前に涙していた「もえ」さんの記憶を頼りに、スタジアムに訪れていた約1万5000人の中から当時17歳、現在25歳になった「もえ」さんを探し当て、映像に収めたのだった。

 今は岡山のスポンサー会社で働いているというもえさん。父に連れられて初めて観戦した2009年からサポーターになり、高校生だった16年のプレーオフ決勝で涙した。昨年の情報番組での出来事を経て「本当にいろんな方から見たよ! と連絡をもらいました」と笑顔で振り返る。

「社長もファジアーノが大好きで。社長は社員のSNSを見ないようにしていたのに(バズった影響で)見ちゃったと(笑)。社長とは毎日ファジアーノの会話をしているんです」

 入社試験では「宝物を持ってきてください」と言われ、16年のユニフォームと、川崎フロンターレのFW家長昭博サイン入りユニの2つを持参した。家長も大ファンだというが、「それよりも16年のユニフォームが宝物です」と伝えた。

 大学の卒業式と試合が被れば、振袖のまま駆けつけた時もあった。紆余曲折を経て、初めてのJ1の舞台だ。

「本当に嬉しくて、遠征先で仲良くなった他クラブサポーターの方からもたくさん連絡をもらいました。『J1で会えるね!』『岡山に行けるの楽しみ!』と言ってもらって。まだ対戦したことがないクラブもたくさんあるので、楽しみです」

 この日、一緒にスタジアムに訪れていた父も「いまだに信じられなくて、まだ涙が出てきそうなくらい」と歴史の1歩を踏み出した瞬間を喜んだ。

 岡山がもたらした1勝はただの1勝ではない。スタンドを埋めつくした約1万5000人だけでなく、多くのサポーターの心に刻まれ、語り継がれていく1勝となった。

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