C大阪がJ1旋風「1200」番目のメモリアル弾、飽くなき得点意欲で量産の予感「まだ若い」

C大阪の北野颯太【写真:徳原隆元】
C大阪の北野颯太【写真:徳原隆元】

20歳MF北野颯太が開幕戦で2ゴール1アシスト

 新生セレッソ大阪のアタッキングフットボールが炸裂した。2月14日金曜日の先行開催となった今季のJ1開幕戦、ガンバ大阪との「大阪ダービー」にセレッソ大阪が5-2で快勝。なかでも、2ゴール1アシストを記録した20歳MF北野颯太の活躍ぶりは出色だった。

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 かつて横浜F・マリノスを率いてJ1優勝に導いたアンジェ・ポステコグルー監督の下でコーチを務めたアーサー・パパス新監督を迎えたC大阪は、両サイドハーフがタッチライン際まで開いて幅を作った。対応する相手の陣形が広がったところにダブルボランチや北野が絡み、さらにはサイドバックも内側を取って攻撃に絡んだ。

 そうした流れで迎えた前半7分、センターバックからの縦パスを北野が受けると、内側に入ってきた左サイドバックのDF舩木翔を経由して逆サイドへ。ここでもインサイドを使った右サイドバックのDF奥田勇斗を経由したパスが中央に通り、最後はボランチの位置からフォローしていたMF香川真司が相手に倒されながらつないだボールを北野が冷静に蹴り込んだ。さらに1-1の同点で迎えた後半1分にはゴール前のこぼれ球を押し込み、3-2で迎えた後半18分にはセットプレーキッカーとしてMF田中駿汰のゴールをアシストした。

 先制点はクラブとしてJ1通算1200ゴールのメモリアルとなり、新シーズンの第1号。北野は「気持ちいいですね。すごく嬉しいことですし、さっき聞いたんですけど1200ゴールも。それが自分ってのが良かったです」と喜びの声を残した。

 だが、それ以上に嬉しかったのがゴールへの過程だ。「チームの形としていたビルドアップで前進できて、真司さんが最後にいい形で落としてくれた。コースは見えたので。自分のゴールというより、その形で前に運べたことが嬉しいです。ここから対策もされたり、まだまだ難しいことはたくさんあると思いますけど、それをチーム全員で乗り越えて良ければ優勝も見えてくるんじゃないかなと思います。ボランチにうまく関わりながら最後にゴール前に入っていくのはずっと監督に言われていたので、理想とする形かなと思います」と話した。

パパス監督「もっとハードワークしないと」

 パパス監督は北野について「本当に、この仕事を引き受ける前から北野颯太がどんな選手か知っていた。あとは能力が高い選手だと分かっているが、もっとハードワークしないといけないし、ボックス内に入っていく、動き回るんだということはいつも言っている。今日は得点したところとチームに貢献できたが、まだ若い選手。2節、3節、4節と継続的に力を伸ばせるかが大事だということを選手も理解しなければいけないかなと思う」と、活躍を称えつつも地に足を着けることを求めた。

 北野自身も「満足はしていないし、2点目も、たまたまと言えばたまたまなんで。まだまだ取れたシーンもありましたし、個人としてはまだやれるなと。5ゴール、5アシストくらいで良いかなと思ってたんですけど、二桁取れれば。でも、地に足を着けて調子に乗らずで」と、喜びは感じつつも気を引き締めていた。

 ポステコグルー監督が率いた当時にリーグの頂点へ駆け上がった横浜FMを思い起こさせるような幅を広くサイドに選手を配置しつつ、広がったスペースを突く攻撃。その中心にはタイミングよくボールに絡む北野の姿があった。開幕5得点の衝撃と共に、今季のC大阪がJ1に旋風を巻き起こす気配を漂わせた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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