12歳で親元離れ、高1で「プロなれるかも」 新人・名和田我空の素顔「自分で掴まないと」【インタビュー】

高卒ルーキーとして活躍が期待される名和田我空【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
高卒ルーキーとして活躍が期待される名和田我空【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

大阪ダービーでのデビューが期待されるスーパールーキー名和田

 まだ初々しさが残る18歳がJ1ガンバ大阪にやってきた。神村学園高校から加入したスーパールーキーMF名和田我空。高校生離れしたテクニック、高いキックの精度、即戦力が期待される名和田は何より目の奥にある熱い炎を絶やさない。芯をもった新人の素顔に迫った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞/全2回の1回目)

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   ◇   ◇   ◇

 生まれた時からサッカーの道に進む運命だった。2006年7月29日、名和田家の第三子として誕生。宮崎県都城市出身で、サッカー経験者の父のもと7つ上の兄、4つ上の姉は物心ついたときにボールを蹴っていた。「選択肢はサッカー以外なかった」。兄姉が所属していた木之川内SC(現バッサゾール都城SC)に入団し、頭角を現す。小学生時代から目標は「プロになること」。神村学園中等部に進学することになるが、12歳の時点でプロになるため逆算して自分の道を模索した。

「小学校のチームも県大会で決勝ぐらいには行っていたけど全国大会には出られなかった。選手権に憧れがあったので、強いところでサッカーがしたい、と。いくつかオファーをもらって、Jリーグのジュニアユースも話があったけど、寮がなかった。神村は一番初めに声をかけてくれて寮があるのもいいところだった。神村に行けば選択肢も広がると思った」

 小学6年生の時に思い描いたのが、高校3年時点の自分。親元を離れて、中学で入寮し、サッカーととことん向き合う。また自分が進路を考えるときに引き出しを作り出せるよう下した決断だった。

「中学の時から一緒の友達はほとんど寮生で同じ考えの子ばかり。だから別に家に帰りたいとも思わなかった。でも、洗濯は大変でしたね(笑)」

 一直線に目指していたプロの世界。より意識したのは中学3年から高校1年にかけて。アンダー世代で日本代表入り始め、高1で全国高校サッカー選手権に出場。初めてスカウトから声をかけられた。「その時にプロになれるかもと思った」。U-17ワールドカップ(W杯)で世界と戦い、高2の選手権では優秀選手に選出された。高校ラストの夏はインターハイで準優勝、得点王に輝いた。“超高校級”として注目され続け、複数のオファーの中からG大阪入団を決めた。

11年前、ブラジルW杯を見て抱いた憧れ「若くから活躍している選手はいる」

 169センチ、63キロと体格的に恵まれているわけではない。だが「大きかったら苦戦していたかもしれない」といい、「小さかったのでいろいろ考えてプレーしていた」と、頭を整理して臨む。幼いころから参考にしていたのはMF香川真司。「2014年のW杯が一番印象に残っている」。ブラジルW杯は8歳。本田圭佑、長谷部誠、川島永嗣、長友佑都……世界に挑戦する姿を見て自身の気持ちを強くした。

「まだ18歳ですけど、世界的に見ればもう18歳。世界には若くから活躍している選手はいる」

 かつてMF堂安律やMF中村敬斗という海外へ巣立った日本代表が背負った「38」を付け、大きな期待を受ける1年目。その立場を理解し、何をするべきか、名和田はすべて分かっている。

「自分のためだけにプレーするとギャップが生まれてくる。このクラブがタイトルを取るためにプレーすること。覚悟を持ってきたし、期待されるぐらいの選手にならないといけない。何もできなければ(周囲も)『まだまだ』という言葉になると思う。プレッシャーは感じていないですよ。試合に出たら何も考えずにやると思う」

 1年目で「2桁得点」という目標はその根底があってこそ。あまりの逞しさに「焦りは感じないのか」と本人にぶつけた。

「焦るときはありますよ。でも、これまで自分は中学、高校、プロというステージが用意されていた。ここから先、次のステージは自分で掴まないといけないものだと思う」

 これが名和田我空。まだ高校を卒業していない18歳を突き動かす。2月14日にはセレッソ大阪との“ダービー”での開幕戦を控える。即デビューに向け、今闘志を燃やしている。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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