取材拒否の選手「いてもいい」 元日本代表が持論「俺も『ふざけんなよ』っていうのはあった」【インタビュー】

東京V応援番組でMCの北澤豪氏「クラブ力にもつながると思っています」
2025年のJリーグ開幕が迫るなか、2月16日のJ1リーグ開幕節「東京ヴェルディVS清水エスパルス」(BS松竹東急)生中継の解説者で、同局の東京V応援番組「カモン!ヴェルディ!!」にてMCを務めている元日本代表MF北澤豪氏は、東京Vへの貢献を自負する一方、「取材拒否の選手がいてもいい」と持論を展開している。(取材・文=河合拓/全3回の3回目)
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2024年、16年ぶりにJ1を戦った東京ヴェルディは6位でシーズンを終えた。そのチームをバックアップしていたのが、東京V応援番組「カモン!ヴェルディ!!」だ。元日本代表MF北澤豪氏と、母の影響で自らも東京Vの大ファンとなった勝野みなみさんがMCを務める同番組では、試合の結果や見どころはもちろん、独自のインタビューや企画でもファンを楽しませ、東京Vの人気アップに貢献してきた。
東京VがJ1復帰2年目のシーズンを迎えるなか、番組も2年目に突入する。選手の素顔や選手の思いを届けてきたなか、「これは勝手にですけど、『カモン!ヴェルディ!!』があったからチームも6位になったと思っているんです」と、躍進に貢献できたと北澤氏は自負している。
「やっぱり応援する人たちが増えた理由にもなりますし、チームの魅力を1人でも多くの人に伝えていく。試合前はもちろん、試合後にも伝えられることがあります。それが仲間作りにつながった。支える、応援するというプラットフォームがどれだけあるかは、クラブ力にもつながると思っています。だって、それがなかったら、選手の話をじっくり聞けなかったし、選手の悔しさや喜び、本音も聞けなかった。それがあったからサポーターがアウェーにもどんどん足を運ぶようになったり、あれだけ大きな声を出したり、すごくリンクしていたんじゃないかなと思っています」
今後について、北澤氏は「選手たちに取材拒否されるような、そんな番組にしていきたい」と力を込める。取材拒否されたら応援番組は成立しないのではないのか、という懸念が真っ先に浮かぶが、そこには元選手だからこその理由があるという。

選手とのやり合いも注目…「取材拒否の選手がいてもいい」の真意
北澤氏が現役時代のヴェルディといえば、日本サッカー界を代表するスーパースターが勢揃い。華やかなイメージが強かった一方、北澤氏はシーズン開幕前のキャンプが好きだったという。「24時間、サッカーに集中して練習に取り組める。雑音がない。そういう環境を何日持てるかというのがあったし、すごく大事な時間で大好きだった」と明かす。
「だからね、サッカーに集中するという意味では、取材拒否の選手がいてもいいかなと思っているんです。負けた試合のあとに声をかけられて、『いやいや、今は(取材)いいから』みたいな。そこのやり合いをすることも、番組の成長の1つかなと思うし、それを見て『生意気だな』って、オレも冗談交じりに言いたい(笑)。でも、それでまた次の週に活躍して、そこでしっかり取材を受けるとか、そういうのがあってもいいかなと思うんです。感情をそのままにね。チームのオフィシャル番組だから、絶対にちゃんと答えるという流れが今はできていますが、だんだんそこもぶち破ってくれたらいいかなと。『今週、無理』って言われて『分かりました。次、活躍した時にお願いします』みたいなね。そんな感じにできたら、めっちゃ楽しくないですか? それも許されるオフィシャル番組にしていきたい」
北澤氏も長い現役生活のなか、良い時ばかりではなく悔しい思いも重ね、取材に応じたくないタイミングが何度もあったと告白する。「俺も『ふざけんなよ!』みたいなね。『今じゃないだろ!おかしいだろ。このタイミングか?』っていうのは正直あったからね。そのタイミングが分かるから、『多分こうなんだろう。だけど、上手くいったら、多分こういうふうにしてくれる』って感じ取れるし、そういうのもかっこいいと思う」と、“取材拒否されるような番組”の真意を明かした。
果たして、レジェンドである北澤氏の取材を拒否するような猛者が現れるのか。チームと番組を追い続けていけば、今以上に東京Vに夢中になっているはずだ。
(河合 拓 / Taku Kawai)