原口元気が厳しい表情で…「連勝より大切」 王座奪還へ、求めた悪癖の改善「考えてやりたい」

リーグ開幕に向け、浦和レッズ原口元気が取材イベントに出席
浦和レッズのMF原口元気が、今季のリーグ開幕に向け2月10日に東京都内で行われたJリーグの取材イベントに出席。リーグ2連覇中のヴィッセル神戸とのアウェーゲームが開幕カードに組まれ「楽観的に考えていない」と厳しい表情を見せた。しかし、そのゲームの中で大切なメンタリティーを問われた背番号「9」は、昨夏に約10年ぶりに復帰したチームで感じた課題を乗り越えていく要素を重要ポイントに挙げた。
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浦和の下部組織から育ちトップ昇格。10代の内から頭角を現し、攻撃の中心的な存在としてプレーした。そして、2014年夏にドイツ移籍をして、10年間プレーをして浦和に復帰した。昨季を終えFW興梠慎三とDF宇賀神友弥が引退した今、フィールドプレーヤーでは最年長にもなった。それでも、さながら「原口塾」のように若手選手と技術の向上を目指して全体練習後も居残り練習をしていく姿は、若き日々と変わらない。
そんな原口は、改めて10年ぶりに復帰した浦和での日々について「ファン・サポーターは変わらず浦和をサポートしてくれている。でも、その10年間、さらに言えば始まってからの(約)30年間で浦和レッズが1回しかリーグ(タイトル)を獲れていないことは僕ら選手は考えなければいけないと思う」と、2006年が唯一のリーグ王者である現状も合わせ受け止めている。そして、「今後、浦和が日本で一番のクラブになっていくためにリーグを獲るというのは避けて通れない。その2回目の優勝を今年できるように、日本一のクラブになるための1年にしていきたい」と覚悟を話した。
そうしたなかで、スタートダッシュというのは1つポイントになる。しかし、浦和が開幕戦での勝利を収めたのは2020年まで遡る。そこからの4年間、少なくとも開幕2試合が未勝利だ。そして、今季は神戸が対戦相手に決まった。しかもアウェーということもあり、原口は「あまり楽観的に考えていない」と表情を引き締める。それでも「どうやって神戸を倒そうかと、そればかり考えている。初戦は大事」と話す。
戦術的な部分も含む具体的な部分については「控えたい」とした原口だが、チームが持つべきメンタリティーという点での問いかけには自身が昨季に感じた課題を交え、今季の浦和が身につけるべきものを話した。
「何が起きても、冷静でいること。先制されようと、うまくいっていない時間帯があろうと。去年、そういう風になった時に、結構チームとしてバラバラになる時間帯が多かった。どんなことが起きても、ネガティブなことが起きても、1つのチームとして機能していくような戦いをすること。もしかしたら、それは連勝することより大切になってくるポイントかなと思うので、苦しい時にまとまれるかだと思う」
沖縄県でのトレーニングキャンプ中から、シーズンの中でどうしても訪れてくる「波」とでも呼ぶべきものに対し、悪い時をどう過ごせるかの重要性を話していた。だからこそ、「どれだけいいスタートを切れるか。たとえ切れなくても、そこでバラバラになるのではなくシーズンは長い。そこまでしっかり考えてやりたい」という言葉にもつながる。
昨季から20チーム、全38試合に増えたリーグ戦だからこそ、より長期的なチームの安定感を作り上げることや、悪い時期に崩れないことの重要性も高まる。浦和が団結力あるチームを維持してシーズンの波を乗り越えていけるのか、ほかの選手たちに対する影響力の大きい原口の存在もカギを握ることになりそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)