ミシャ采配に反抗「なんで変えたんだ!」 試合後まさかの反撃…全員の前でキツい一言【インタビュー】
駒井善成とミシャとの信頼関係「ちょっとかわいいところもあるかなと…」
「知らない一面、ないと思いますよ(笑)」。北海道コンサドーレ札幌から横浜FCに完全移籍したMF駒井善成に、昨季限りで退任したミハイロ・ペトロヴィッチ監督について聞くと、このような答えが返ってきた。ファン・サポーターから見えたとおりの姿だという。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全4回の4回目)
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「本当に裏表がない。なさすぎるので、そのまんまなんですよね。意外な一面というのは全然ないですね。もう本当にあのままです。それは誰が見てもそう言うんじゃないかなと思いますけどね。パーフェクトじゃないですか。誰とでも親しみやすく人間的には裏表のない、僕はすごく男らしい人だと思います」
それでもあえて語った一面は「意外とゲン担ぎとかするタイプ」だということ。「勝った試合の同じ服装とか、同じ靴とか、そういうのはすごく大事にはしている。ちょっとなんて言うんですかね、かわいいところ、かわいいと言ったらあれかもしれないですけど、そういうのはあるかなと思います」と笑った。
特に勝てなかった試合後の落ち込みは、相当なものだった。「たぶん一番もしかしたら悔しがっていたのはミシャかもしれない。誰よりも札幌を勝たせたい思いを持っていたのはミシャだった。本当に勝負師の人なんだなというのは、9年間やって分かりました」。昨季はそんなミシャにとって厳しい1年になった。
「もう本当にピッチでも元気がなくて。だから元気にさせてあげたいなとずっと思っていたんですけど、なかなかそれを跳ね返せなくて。ミシャにはすごく辛い思いをさせたなと思います」
まさに強固な信頼関係が築かれていたが、ときには選手と意見を言い合うこともあったという。「ピッチの中でのぶつかりはあったんですよ。フォーメーションチェンジして逆にちょっとうまくいかなくなったから、僕がちょっとベンチに向かって『なんで変えたんだよ』って」。思い出しながら教えてくれた。
2022年7月22日、厚別で行われた名古屋グランパスとの一戦。前半1-0でリードしながら後半の選手交代直後に2失点を喫し、後半アディショナルタイムにMF青木亮太の同点弾で土壇場のドローに持ち込んだ。「ちょっと僕も興奮しちゃってピッチからバーッと言ってしまって」。ミシャからキツい一言を浴びた。
「みんなの前のミーティングで『駒井は難しい人間だ』って言われて(笑)。けっこうみんなに笑い話にされましけど。今思ったらもちろん僕が悪いですけどね。やっぱり監督が言ったことは遂行しないといけないので」
このように笑って振り返ることができるのも、長年の信頼関係があったからこそ。駒井が浦和レッズに加入した2016年から続いた師弟関係も、9年で一区切りとなった。一方、新天地の横浜FCを率いるのは、ミシャの下で4年間ヘッドコーチを務めていた四方田修平監督。これも何かの運命なのかもしれない。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)