J2で旋風を起こせるか「中島翔哉みたい」 “高卒逸材”ドリブラーの技術は「抜けていた」【見解】
【専門家の目|太田宏介】亀田歩夢は今シーズンからカターレ富山に加入
2014年以来11年ぶりにJ2復帰となるカターレ富山には、流通経済大学柏高校(千葉)よりMF亀田歩夢が加入した。亀田は第103回全国高校サッカー選手権大会で強烈なインパクトを残しているなか、元日本代表DF太田宏介氏も「圧倒的な個の技術の高さが抜けていましたね」と感嘆の声を漏らした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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湘南ベルマーレフットサルクラブのサテライトチームに当たるP.S.T.C.ロンドリーナのジュニア、ジュニアユースでプレーした経歴を持つ亀田。流経大柏で選手権の舞台に立つと、大津(熊本)との3回戦では驚異の3人抜きドリブルを見せ観客を沸かせた。準々決勝、上田西(長野)を8-0で下した試合では、2発のカットイン弾でチームの勝利に貢献。まさに“自分の形”でゴールを奪ったシーンだった。
「選手権では抜けていた存在でしたね」と太田氏も舌を巻く。「このシュートの選択肢の広さはたまたまできるものじゃないです。おそらくすごい練習していると思います」とゴールシーンで迷いがなかった亀田の自信に驚いている。決勝では惜しくも前橋育英(群馬)に敗れてしまったが、J2昇格を勝ち取った富山で、亀田のさらなる活躍も期待される。
「おそらくもっとオファーの話はあったはず。加入する富山がJ3からJ2に上がったという引きの強さもありますよね。強気で自分を持っていて、しなやかなタッチと、力任せじゃないドリブル。上半身もしっかりと姿勢がいい。ここから力強さみたいなところも入ってくると、もうワンランク上に行けて、より怖い選手になるんじゃないでしょうか」
そんな亀田について太田氏は、日本代表で10番も背負ったドリブラーと似ている部分を感じている。
「中島翔哉選手みたいだなと。若い頃、彼からは本当にパスが出てこなかったですね。全部自分で仕掛けて、取られても処理しない(笑)。でもそれくらい、ガツガツ行ってほしいですね。むしろより、より積極的になってほしいくらいです」
高卒でJ2へ。「特にJ2は結構引いて守るクラブが多いなか、亀田くんの仕掛けや思い切りの良さはすごく効いてくるはずです。彼のガンガン仕掛けていくスタイルは、プロ入っても忘れないでほしい。めちゃくちゃ楽しみです」と、太田氏も新シーズンを控える新鋭アタッカーに注目していた。
太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。