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カメラマンも驚き…ネイマールが「人目もはばからず涙」 明暗分かれた“2つの表情”【秘蔵】

【カメラマンの目】ネイマールがW杯トロフィーを掲げる姿を写真に収めたい
現代のサッカーシーンをリードしてきたブラジル代表FWネイマールが、彼の選手としての原点であるブラジル1部サントスに復帰を果たした。このサッカー大国から出現したクラッキ(名手)は、これまでピッチ上で数々のスーパープレーを創出し、観客を熱狂させ、多くの勝利を手にしてきた。(文=徳原隆元)
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スペイン1部FCバルセロナに所属していた2015年には、日本で開催されたクラブワールドカップで世界王者に輝いている。表彰式のあとネイマールは同郷のDFダニエウ・アウベスとともに、スタンドのサポーターに向かって、まさに勝者の笑顔を見せていた。
そして7年後、もう1つのW杯であり、サッカー界においてもっとも権威のある世界大会で、奇しくもこの2人のまったく違う表情を目の当たりにすることになる。その舞台は2022年カタール大会。当時のネイマールの年齢は30歳で、キャリアの円熟期で迎えたW杯だった。当然、優勝を強く意識していたに違いない。
だが、結果は準々決勝でクロアチアを相手に、PK戦の末に敗れることになる。ブラジル人らしく陽気である反面、強心臓でダークヒーローの雰囲気が漂うネイマールが試合後、人目もはばからず涙を流したのは驚きだった。そして、セレソンの重責を担うエースナンバー10を背負う、涙に暮れていたこの男を慰めていたのがアウベスだった。
試合を戦い抜いて導き出される、結果という勝者と敗者のコントラストは実にはっきりと色分けされるものだ。2人の表情から、プロフェッショナルの勝負の世界というのは、ときに残酷であると感じた。
ネイマールは2023年8月に活躍の場を欧州から中東へと移し、今ここに母国ブラジルへと舞い戻ってきた。ネイマールはかつての輝きを取り戻すことができるのか。個人的には、ヨーロッパの舞台を席捲した完成度の高いプレーよりも、世界に頭角を現したころの粗削りだが、その向こう見ずさが眩しかったネイマールに戻ってほしいと願う。
サントスへの復帰によって、サッカー選手として大成しようとする若かったころの闘争心がよみがえることを期待したい。そして、再びカナリア色のユニフォームを身に纏ってW杯を戦い、最後には笑顔とともにトロフィーを掲げる姿を写真に収めたいと思っている。
徳原隆元
とくはら・たかもと/1970年東京生まれ。22歳の時からブラジルサッカーを取材。現在も日本国内、海外で“サッカーのある場面”を撮影している。好きな選手はミッシェル・プラティニとパウロ・ロベルト・ファルカン。1980年代の単純にサッカーの上手い選手が当たり前のようにピッチで輝けた時代のサッカーが今も好き。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。