筋トレ部は解散せず「僕は今年いないけど」 ゲーム腕前も話題…札幌若手に残した財産【インタビュー】
札幌を退団した駒井善成「僕が先輩にかわいがってもらった分を後輩に…」
北海道コンサドーレ札幌から横浜FCに完全移籍したMF駒井善成が、ともにプレーした若手選手たちにメッセージを送った。「マリオカート」の腕前や「筋トレ部」の部長とさまざまなキャラクターで愛された7年間。そんな兄貴分が札幌に残したものとは――。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全4回の2回目)
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2011年に地元の京都サンガF.C.でデビューし、浦和レッズを経て2018年に札幌に加入。7年間にわたって主力として活躍しただけでなく、ピッチ外でも若手選手たちと多くの時間を過ごした。降雪地帯のためキャンプが長いということもあってゲームでの交流も深め、「マリオカート」の腕前では話題にもなった。
「こまちん」というハンドルネームで有名なゲーマーと対戦するほどになったが、「最近はもう全然やってないです」という。現在では3人の子供を育てる父親。「飽きたわけではないですが時間がない。寝るのも遅くなってしまうので。やっぱり早く寝ないと」と寂しがるが、これも札幌での思い出の一つだ。
そしてもう一つの顔は、「筋トレ部」の部長。ムキムキの肉体がSNSなどで拡散され、「自分が現役を長く続けるための怪我の予防で始めましたけど、話題になってしまって」と苦笑する。「でもそうやってみんなに親しんでもらったので、本当に皆さんありがとうございますという感じですね」と振り返った。
今では多くの若手選手が真似をして筋トレに励むようになったが、まさかの部長が退団。解散危機にも「いや、やるんじゃないですか。ちゃんとやっていると思いますよ、継続してね。僕は今年いないですけど、これを機に何か少しでも身体のことに気を遣ってくれる選手が出てきてくれたら」とエールを送った。
「若いときは先輩と一緒にいる時間が長くて、5、6個上の先輩といつも一緒にいたんです。自分が今そういう年を重ねて、僕が先輩にかわいがってもらった分を後輩に還元してあげられたらと思っていて。若くしてクビを切られてどうしようみたいな選手もたくさん見てきたので、長く現役生活を送ってほしい。
せっかくサッカー選手になって好きなことを仕事にできたわけなので、その気持ちを忘れずにずっと続けてほしい。だから一緒に練習をしたりとか、みんなにうまく伝えられたか分からないけど、アドバイスもしたつもり。長く、本当に1日でも長く、1年でも長く、現役生活を送ってほしいなと思っています」
今季はJ2で戦う札幌。駒井自身も当時J2の京都で頭角を現した。「僕はJ2ですごく成長させてもらった。特に若い選手にとってはものすごくチャンスになると思う。ここで試合に出て経験を積んだらグンと伸びるので、それを掴むために毎日の練習から頑張ってほしい」。多くの財産を残して新天地へと向かう。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)