22歳日本代表の放出は「クラブの方針」 欧州名門が複数興味、GOサイン条件「頻繁にはない」【現地発コラム】

パルマの鈴木彩艶【写真:Getty Images】
パルマの鈴木彩艶【写真:Getty Images】

鈴木についてイタリア記者サンドロ・ピォヴァーニ氏に現地取材

 イタリア1部パルマに所属する日本代表GK鈴木彩艶には、多数のオファーがビッグクラブから届いているとされている。現地メディアの記者たちは22歳の日本人GKの夏以降の去就、そしてイタリアでの成長について興味深い言葉を残してくれた。(取材=倉石千種)

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 鈴木は今シーズン、パルマの守備陣で獅子奮迅の活躍を見せている。浦和レッズ、シント=トロイデンとステップアップしてきた若武者は、昨年7月にパルマへ完全移籍。ここまで出場停止の試合を除き、公式戦22試合に出場している。そのうち完封した試合は3つだ。

 活躍を続ける鈴木について、現地紙「カゼッタ・ディ・パルマ」や現地報道局「12 TV Parma」の記者であるサンドロ・ピォヴァーニ氏に尋ねると「イタリアのサッカーを知らなかったが、力、チームのスピード、強さ……この地のサッカーを徐々に理解してきている。技術だけではなくて、フィジカルも重要。イタリアではすべてが必要なんだ」と、成長を評価した。

 その活躍により、ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンやイングランド1部マンチェスター・ユナイテッドなどビッグクラブからの獲得興味が報じられている。今冬については「今冬は疑いなくパルマに残る」とピォヴァーニ氏の言葉通りになったが、夏以降は「4000万ポンド(約76億円)なら、パルマは放出するかもしれない」と、移籍の可能性を否定しなかった。

サンドロ・ピォヴァーニ記者【写真: 倉石千種】
サンドロ・ピォヴァーニ記者【写真: 倉石千種】

「パルマは若い選手を獲得して、成長させて旅立たせる。それが方針だ。それにGKに4000万ポンドのオファーをするということは頻繁にあることではない。鈴木は優秀な選手だ。セーブだけではなく、蹴る技術も高い。この調子でプレーしていれば、放出となる可能性は十分にあるね」

 イタリアで名を挙げた日本の守護神は、現地記者にも好印象に映る。「彼はよく学んで、全てを吸収して向上している。GKは易しい職業ではないからね」と、成長を見守られてきたが、クラブの方針も含め2025年はさらなる飛躍の可能性が芽生えきそうだ。

(倉石千種 / Chigusa Kuraishi)



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倉石千種

くらいし・ちぐさ/1990年よりイタリア在住。1998年に中田英寿がペルージャに移籍した時からセリエAやイタリア代表、W杯、CLをはじめ、中村俊輔、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、冨安健洋など日本人選手も取材。バッジョ、デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、カカ、シェフチェンコなどビッグプレーヤーのインタビューも数多く手掛ける。サッカーのほか、水泳、スケート、テニスなど幅広く取材し、俳優ジョルジョ・アルベルタッツィ、女優イザベル・ユペール、監督ジュゼッペ・トルナトーレのインタビューも行った。

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