欧州1部で“規格外”FWが急成長「あいつはすごいよ」 19歳日本人を指導した元代表も絶賛【見解】

アンデルレヒトの後藤啓介【写真:Getty Images】
アンデルレヒトの後藤啓介【写真:Getty Images】

【専門家の目|太田宏介】前田氏が後藤をユース時代に指導…太田氏との会話で明かす裏側

 ベルギー1部の名門アンデルレヒトでプレーする19歳が飛躍の気配だ。先月トップチーム初先発で初ゴールを決め衝撃をもたらしたFW後藤啓介について、元日本代表DF太田宏介氏は「もっと数字を伸ばしていく可能性をかなり秘めている」と期待を込めて語っている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 191センチの長身FWは、ジュビロ磐田の下部組織出身。2024年1月からアンデルレヒトへ期限付き移籍し、同年はU-23のセカンドチームで公式戦29試合11得点の成績を残した。25年にはトップチームに参加し、初先発を飾った現地時間1月26日の第23節メヘレン戦(4-1)で早速ゴールを決めている。

 低いニアへのクロスに飛び込み逆サイドのゴールネットを揺らす技ありの一撃。太田氏も「直前のシーンでこぼれ球に反応して届かなかった場面がありました。そのあとにプレーを止めずすぐ立ち上がりポジションを取り直す。実際低いボールで、なんてことのないクロスでしたが、そこに入るポジション取りのうまさ、タイミング、ヘディングの逸らしも天性のものだと思いますね。相当難易度の高いヘディングです」と絶賛する。

「岡崎慎司選手みたいな合わせ方もできて、なおかつ高身長で上からも叩ける。裏抜けもでき、足もとも十分にあるという……結構化け物級ですよね。なにより速い。実際の試合でもっと相手の強さに慣れてきて、ベルギーで二桁近く得点を取ることができたら一瞬にしてステップアップするでしょうね」

前田遼一氏はユース時代の後藤を指導

 さらに太田氏は、今年初めに元日本代表FW前田遼一氏と会った際に後藤の話をしたという。2021年から磐田U-18を指導。後藤について「練習量、マインドはすごくプロ向きだ」と期待を懸けていたことを太田氏に語っていた。

「遼一さんは、彼の自信過剰になりそうなところもコントロールしながら、あえて試合に出さなかったり、やる気出させてさらに成長させようとした部分もあったと言っていました。ヨーロッパに行くっていうところも彼の目標としてあり、それを『自分の力で叶えたあいつは凄いよ』と話してくれました」

 前田氏の指導も受け、海外で着実に成長を重ねる後藤。ベルギーの地でさらなる躍動を続ければ、ビッグクラブへの道も次第に見えてきそうだ。後藤は1月30日のUEFAヨーロッパリーグ(EL)リーグフェーズ最終節ドイツ1部ホッフェンハイム戦(3-4)でもゴール。太田氏も注目する19歳から今後も目が離せない。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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