衝撃9発→怪我から復活へ 22歳SBが目指す「昨季以上」…鹿島が新境地へ「感謝しなければ」

鹿島の小池と濃野【写真:徳原隆元】
鹿島の小池と濃野【写真:徳原隆元】

右SBでは濃野、小池の両者が自身の特徴を生かす

 鬼木達監督の下、鹿島アントラーズが新シーズンでの“復活”を目指す。2月1日のプレシーズンマッチ「いばらきサッカーフェスティバル2025」では、早々に失点するなど守備での課題も見えた。この水戸ホーリーホックを相手に1-1のドローで終えた試合の中で、右サイドバック(SB)を務めた2人の選手の言葉を紐解いていく。

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 開始6分に左からペナルティーエリア内であっさりと崩され失点。前半は中盤でのボールロストも目立ち、水戸にペースを握られる時間も多々あった。それでも同15分に左サイドで先発したMF田川亨介が1点を返し1-1に追い付く。

 この試合でまず存在感を見せたのが、昨季SBながら9得点をマークしたDF濃野公人。昨年9月に右膝外側半月板損傷を負い長期離脱も経験した22歳は、スタメン出場すると持ち前の攻撃力を見せる。左サイドから大きな展開の中フリーで受けると、濃野は何度も前線へクロスを供給。相手GKのセーブで防がれたが、豪快なロングシュートで会場を沸かせた場面もあった。

「去年よりスタート位置は高い」と明かす大卒2年目の濃野は、右サイドでタッグを組んだMF荒木遼太郎が中へ自由な動きに合わせサイドを駆け上がる。「チームとして色々なチャレンジができ、形が見えたのは収穫かなと思う。監督にも上下動を求められているので、よりこだわってやっていきたい」と、指揮官の期待に応えるべく何度も水戸ゴールを脅かした。

 前には田川、FW鈴木優磨、レオ・セアラ、荒木と個性あふれるタレントが並ぶが、「FW達だけではなく僕も点を取らなきゃいけないと思うので、監督にもそこは期待されている。頼らず僕も点を取るんだぞっていうところは見せていきたい」と、自身の特徴をさらに生かすことを誓っている。

 濃野は相手とのアクシデントで歯が折れる場面もあったが、その後も懸命にプレー。後半18分にDF小池龍太と交代で退いた。前半は濃野の特徴が表れる場面もあったが、チームとしてスピード感、攻撃の厚みに欠けた。この交代で17歳FW徳田誉も投入され、鹿島は徐々に活性化していく。

2人の右SBが互いに課す課題「人と人をつなぐ」「昨季以上の得点力」

「基本的に(濃野と)役割は変わらない。その中で公人がどういうプレーを選ぶか、自分自身がどういうプレーを選ぶか。そこにはやはり対相手というところがあって、公が前半やり続けたことが、後半自分が入ってできることが増えているという状況は彼に感謝しなければならない。一概にどちらが良かったとかではなく、11人が最初に試合に出ていて、それから変わった選手がパワーを出す。それがチームとして勝ちにつながるという90分でなければいけない」

 後半途中出場の小池が語った言葉。チーム全体で勝利を目指す“メンタリティー”が如実に表れている。小池は自身の特徴を「人と人をつなぐというところ。個が生きるために犠牲になる選手とか、自らこれからも取り組んでいかなければない」と自負。一方で濃野は「昨季以上」の得点力を自身の任務に課す。

 去年の怪我離脱も含め「ピッチから離れる時間も多くなって色々な気付きが正直ありましたし、それを今シーズン生かさないと、去年の3か月4か月は意味なかったと思うので、しっかりその休んで得たものを存分に発揮したい」と気概を吐露。右SBは競争も厳しくなるが「他人がどうこうよりも、自分がどういうプレーするのかというのが大事」と矢印はあくまで自分だ。お互いが自身の良さを生かしチームへ還元を目指す。鹿島に植え付けられる2人のメンタリティーは大きな糧となりそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)



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