原口元気の覚悟「浦和にいる価値がない」 FP最年長が明かした思い「最後の1年くらいの気持ちで」
31日の練習後に取材対応した
「最後の1年くらいの気持ちで僕はやっています」と、今季に懸ける強い思いを表現した。浦和レッズのMF原口元気は沖縄キャンプ中の1月31日に取材対応し、今キャンプを「振り返ってみて非常にいい練習ができたと思いますし、チームとして良い時間だったと思います」と総括した。
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浦和は今季始動後に埼玉県内で約1週間のトレーニングを行ったあと、1月12日から約3週間のキャンプを実施。最終日となる2月1日に名古屋グランパスとのトレーニングマッチを行って打ち上げる予定だ。トレーニングとしては最終日になった31日は軽めの調整で終えた。原口はキャンプ中に率先してランニングの先頭を走る姿や、居残り練習で若手との個人技術を磨くメニューに打ち込む姿を見せていた。
気づいてみればフィールドプレーヤーで最年長となった中、そうしたチームに貢献する姿勢と同時に自身のプレークオリティーにもフォーカスしている。2014年夏のドイツ移籍から約10年ぶりに浦和復帰を果たした昨年9月以降の戦いでは、ボランチ起用なども想定された状況から自身の求めるアタッカーとしてのプレーに切り替えていく過程で、「身体づくりから変える必要がある」と話していた。
実際にオフからキャンプへの流れを「ポイントは走力とキレ。ウイングやアタッカーでプレーするんだったら、確実に昨シーズンはそこが不足していたので。何度も走れる体力や相手をはがしたり違いを作れたりするキレの部分は試行錯誤しながら、オフ中もほぼ毎日トレーニングしてきたので、その成果が少しずつ見えています」と話し、「今年の方が身体が動いていますし、フィーリングも非常にいいので、このままいけば数字が残せると思います」と手応えを得ている。
マチェイ・スコルジャ監督の指揮下で戦った2023年と、昨季の9月以降は堅守に定評がある一方で得点力不足が弱点になった。今季に向け、浦和はMFマテウス・サヴィオ、MF金子拓郎、MF松本泰志らのJ1や海外クラブで主力だった選手を獲得している。それだけに「最後の部分では個の力が大事になる。そこでは本当に力のある選手が入ったし、僕自身も去年よりコンディションが良いので今年は違いを作れると思う。大事なところで違いを作っていきたいですね」と、原口も課題の克服に手応えを話した。
強化責任者として2シーズン目を迎える堀之内聖スポーツ・ダイレクターは、今季の最大目標をリーグ優勝と明言した。原口もまた、昨夏の浦和復帰時に「Jリーグを優勝したい」という思いを語った。今季は不退転の決意でそこに臨むことを表明している。
「僕にとって今年が本当に勝負。というのは、ダメだったら浦和にいる価値がないと思っているし、成功するのもしないのも今年だと思っているので。ダメなら去るし、良ければ優勝できる。対極にあると思う。最後の1年くらいの気持ちで僕はやっています」
2月15日のリーグ開幕戦は2連覇中のヴィッセル神戸とのアウェーゲームになる。「恐らく今年も一番タフで強いと思われる相手のアウェーで非常に難しいゲームだとイメージしています。でも、僕らが目指しているのはJリーグのタイトルで、彼らを倒さない限り達成されないと思っているので」と、虎視眈々と開幕戦での王者撃破を狙っている。14年に半年間つけた背番号「9」に戻る今季は、前線で躍動する原口の姿が見られそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)