韓国では「全然違った」 通訳“ほぼ”なし…鍛えられたハングリー精神「ストレス溜まるときも」

J1初挑戦の岡山に新加入した江坂任
ファジアーノ岡山は宮崎キャンプで初挑戦のJ1に向けてトレーニングを積んでいる。なかでも攻撃のキーマンとなるのが元日本代表MF江坂任だ。昨季までの2年間では韓国Kリーグで経験を積んだ31歳。異国での日々は多くの壁もあったが「収穫だった」と、ハングリー精神を鍛えられた。
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気温8度と寒さを感じる宮崎。若手、ベテランも声が飛ぶ雰囲気の良い練習で、江坂はリラックスした表情でチームを盛り上げていた。今季から加入した経験豊富なアタッカー。J1初挑戦となるチームで大黒柱として精神面含めて活躍が期待される。
ザスパクサツ群馬でキャリアをスタートさせ、大宮アルディージャ、柏レイソル、浦和レッズとJリーグでプレーし、2023年に渡韓。蔚山HD(当時蔚山現代)で新たなキャリアを切り開いた。異国での初挑戦、そこにはやはり日本との違いがあった。
「コミュニケーションは取れるけど、サッカー文化の違いで自分が(パスを)ほしいタイミングとかボールの持ち方は日本人と韓国人で違う。優先順位含めて全然違った。そこは自分が韓国に合わせに行かないといけなかった。ストレス溜まるときもありました。自分の欲しいタイミング、いいポジションを取っててもそこを見つけてくれない、みたいな。我慢しながら来たチャンスをどう生かすか。少ないチャンスを……みたいなのは韓国で多かった。その辺は選手としても人間としても成長できた部分なのかなと思います」
コミュニケーションは韓国語。通訳が練習含めて江坂に付きっ切りだったわけではなく、自身で勉強しなければ周囲と話すことができなかった。
「ペラペラじゃないですけど、日本と違うサポートで手厚いわけではない。日本だと基本隣にずっといてくれるのでいいけど、その部分含めて成長できたかなと」
このような環境下で細部まで詰め切るところは難しかった。それでもKリーグで積み重ねた結果は45試合7得点。これはただの数字、結果だけでなく、江坂にとってプレーの幅を広げたと示す重要な経験値だ。
「日本よりサポートがないなかで、タイトな守備をどうはがしていくかみたいなところは日本より考えながらやれた。凄く学べた部分かな。フィジカル的なサッカーも多いので、そういうところもできないと試合にも出られなかったりする。じぶんとしては収穫が多い2年間だった」
20代終盤から30代にかけてフィジカル、個での突破力をさらに磨き上げた。日本代表での出場経験がある31歳は、今度岡山でその能力をいかんなく発揮する。
「自分としては違いを生み出しながら(チームの)基準は上げていければ。いい守備からいい攻撃というのは生命線的なところもある。(トレーニングマッチで)守備は通用すると感じられたと思うし、ボールを持たされるクラブもあるのと思うので、攻撃のクオリティーを上げていかないといけない」
迎える開幕戦の相手は京都サンガF.C.。新境地へ到達した江坂は帰還したJの舞台で“業”を見せつけるはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)