18歳なのに…「あそこへパス通せる」 非凡センスに驚き、代表OB指摘「サッカーIQが高い」【見解】
【専門家の目|太田吉彰】広島18歳MF中島洋太朗のプレーを解説
2025シーズンのJリーグ開幕を2月に控えるなか、一目置くべき存在となるのが若手タレントたちだ。サンフレッチェ広島で昨季J1デビューを飾った18歳MF中島洋太朗は今季、本格ブレイクが期待される1人で、正確なキックや攻守両面における能力の高さに、元日本代表選手は「さらに上のレベルの選手になるんじゃないか」と期待を寄せている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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昨季Jデビューを飾った10代の若手タレントの中でも、ひと際注目を浴びているのが広島のU-19日本代表MF中島だ。元広島の中島浩司氏を父に持つ逸材は、17歳だった2023年9月にプロ契約を結び、2024年6月にJ1デビュー。昨シーズンは12試合に出場し、アンダー世代の日本代表でもプレーするなど将来を期待される。
その中島の魅力について、元日本代表MF太田吉彰氏は「ボールタッチがものすごく柔らかい。テクニックもありますし、キックの種類が豊富。ボランチからの攻撃、守備能力も非常に高い」と指摘。ボールがある、なしにかかわらず、的確なポジショニングが際立つといい「ボールが来てから考えるのではなく、2手、3手先ぐらいまで冷静に考えながら、プレーしている印象」と、目を見張る。
技術と状況判断の高さが光ったワンプレーとして、太田氏が注目したのが昨年9月に行われたルヴァンカップ・プライムラウンド準々決勝第2戦でのある場面だった。名古屋グランパスと戦ったこの試合の後半29分、ハーフウェーライン手前でボールを奪ってから一気にカウンターへ。そのままゴール前まで持ち込むと、ファーサイドへ柔らかいパスを通し、決定機を演出した。
太田氏は「かなり落ち着いてゲームに入っていますよね。スルーパスを通したこの場面で際立つのが、あそこに落ち着いて通せる、なおかつ、パスの速さですよね。ただ速く出すだけじゃなく、ボールスピードを落としながらでもスルーパスを通せる。周りの状況を上手く考えながらプレーできている」といい、サッカーIQが「すごく高い」と唸った。
トルコでのシーズン前キャンプでは、実戦で早速得点をマーク。ウズベキスタンの強豪FCパフタコール・タシュケントとの一戦では美しい弧を描く一振りを決めた。「自ら得点し、アシストもっていう能力がさらに上がってくると、さらに上のレベルの選手になるんじゃないかと感じてます」と太田氏。非凡なセンスを持つ逸材の飛躍を期待した。
太田吉彰
おおた・よしあき/1983年6月11日生まれ、静岡県出身。ジュビロ磐田ユース―磐田―仙台―磐田。J1通算310試合36得点、J2通算39試合4得点。トップ下やFW、サイドハーフなど攻撃的なポジションをマルチにこなす鉄人として活躍した。2007年にはイビチャ・オシム監督が指揮する日本代表にも選出。2019年限りで現役を引退し、現在はサッカー指導者として子どもたちに自身の経験を伝える活動をしている。