日本代表FWは「あえて難しい決断をした」 30歳の挑戦に驚き、懸念指摘も「チャンス十分」【見解】

【専門家の目|太田宏介】シーズン途中加入で古橋がレンヌへ
フランス1部スタッド・レンヌは1月27日、日本代表FW古橋亨梧を完全移籍で獲得したと発表した。約3年半過ごしたスコットランドから離れる決断。元日本代表DF太田宏介氏も「びっくりしましたね」と今回の移籍について驚きを隠さなかった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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古橋は2021年7月にJ1ヴィッセル神戸からスコットランド1部セルティックに完全移籍。ここまでクラブ通算165試合で85得点と欧州で驚異的な数値を残してきたストライカーが、新たな挑戦を選んだ。今季フランスで低迷するレンヌへの移籍となったなか、太田氏も「今のセルティックといろいろギャップがあって移籍を決断したと思う」と、心境を慮った。
「正直新しい監督(ブレンダン・ロジャーズ氏)とあまりうまくいっていなかった印象です。前任のアンジェ・ポステコグルー監督(現トッテナム)からの流れで古橋のゴール前で勝負する良さが出ていたと思いますが、今のセルティックのサッカーだとあまり活きてこない場面も多かった気がします。そういったさまざまなギャップがあって移籍決断したと思いますね」
一時はトッテナム移籍の噂も出ていた古橋について「やはりプレミアでライン間の駆け引きをする彼のプレーが見たかったという思いもあります」と私見を述べつつ、「フランスで活躍する南野(拓実)選手や伊東(純也)選手、中村(敬斗)選手のような、細かいアジリティーや一瞬のキレ、守備の献身性という意味では、レンヌでも重要なピースになり得ると思います」と期待を高めている。
レンヌは今季降格圏争いに巻き込まれる状況が続く。「ロングボール主体でオープンな展開も多い印象で、古橋選手の良さをどう出していくか」と太田氏も懸念すべき点を挙げるが「ただディフェンスの部分で意外とフランスはルーズだったりする部分もあるので、そこで古橋選手の抜け出しの良さが出れば、得点量産のチャンスが十分にあると思います」とイメージを沸かせた。
チームにどう“アジャスト”していくか。シーズン途中加入という点でも「あえて難しい決断をした」古橋に、太田氏は「レンヌ浮上きっかけのピースになれば、さらに自身の価値を高めることができるはずです」と熱く語る。「新天地で点を取って、結果を残すことが再び代表につながると思います。救世主として期待ですね」と、30歳を迎えた古橋にエールを送っていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)
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太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。