横浜FMの元同僚5人が見た“磐田10番”中村俊輔 「一番怖い選手」への尊敬と追憶の念
「シザースした瞬間によく見る光景だった」
MF喜田拓也も「特別な相手ですからね」と、試合を振り返った。昨季までは同じユニフォームに袖を通し、中村の背中を追いながらプレーしていた22歳は、「一番怖い選手でしたし、自由を与えると、一瞬の隙で決定的なプレーができる選手」とその技術に脱帽した。特別な一戦では足が攣るまで奮闘したが、ピッチでは中村から「『何攣ってんだよ』って言われました。冗談みたいな感じで、ぺしって(叩かれた)。懐かしいなって思いました」と、喝を入れられたことも明かしている。
中村と同じ左利きで、今季は横浜FMのプレースキッカーを担当するMF天野純、そして背番号10とキャプテンマークを引き継いだMF齋藤学は、口を揃えて「対戦して嫌な選手だった」というコメントを残している。
新主将の齋藤は、若手選手が中村に臆することなく飛び込んでいった姿に、チーム全体の変化を感じ取ったという。「喜田だったり、天野純が俊さんの1対1を止めていた。去年(練習で)ボコスカやられているのを見ているから、ああ成長したなと思いました」と話す。
中村との再会について「そりゃあ、気にしないわけない」と言う齋藤のような選手もいれば、DF中澤佑二のように「特に意識していなかった」と言う選手もいるなど、この一戦に臨む姿勢は三者三様だったが、やはり発奮材料とした選手も多かったようだ。今季、ボランチでレギュラーに定着した天野は「(中村の突破を止めたシーンは)シザースした瞬間によく見る光景だった。ダブルタッチでかわして来るなって思っていたのでそこに足を出して、上手くボールを取れました」と、公式戦での初めてのマッチアップにも臆することなく積極的に立ち向かった。