沖縄で記者が見た18歳逸材は「ホンモノ」 重なる6年前の姿…久保建英と中村敬斗が示した将来性

神村学園からG大阪に加入した名和田我空【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
神村学園からG大阪に加入した名和田我空【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

G大阪の名和田我空は沖縄キャンプで実力を示している

 2025シーズン開幕に向けて各所でキャンプが行われている。ガンバ大阪は沖縄で1月17日にキャンプイン。今季から新戦力として加入した高3の18歳MF名和田我空も汗を流している。トレーニングマッチでは早速躍動。その姿を見て、9年前に現在の日本代表で中心へと成長した2人の高校生MF久保建英とMF中村敬斗のマッチアップを思い出した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 晴れ間だと気温約20度、心地よい沖縄・中城村。ここで、名和田のプロ生活がスタートした。今春に強豪・神村学園高校を卒業する18歳。水戸ホーリーホック戦、北海道コンサドーレ札幌戦とここまで2試合のトレーニングマッチを消化し、トップ下や右サイドで周囲との連係も構築中だ。

 堂々としたプレー。ピッチ上では精度の高いキック、推進力、視野も広く、自身は「まだまだプロのスピードについていけていない」と課題も持つが、何より彼の魅力の1つはパーソナリティーだ。

 最年少で参加するキャンプで何も臆することなく、プロでやっていくための活路を自ら見出している。コミュニケーション能力が高く、先輩たちからは「本当に1年目?」と言われるほど。英語も猛勉強中で、外国人選手のMFネタ・ラヴィらとの会話で“アウトプット”することにも挑戦する。

 取材対応も丁寧で、回答を探して言葉に詰まることもない。ここはFW宇佐美貴史のよう。コミュニケーション部分では17歳でキャンプに参加してブラジル人相手にポルトガル語で会話していたMF中村敬斗を彷彿とさせる。高校生らしい向上心、ギラギラした部分は今でもその“塊”と言っていいMF堂安律みたいだ。

 名和田がトレーニングマッチで躍動する姿を見て、そういえば……と6年前、2019年のキャンプを思い出した。G大阪はFC東京と対戦。当時18歳の中村と、FC東京には17歳のMF久保建英がいた。2人は開幕スタメンを狙って、マッチアップ。特に横浜F・マリノスへの期限付き移籍を経て帰還した久保は劇的にフィジカルを向上させて当時指揮を執っていた長谷川健太監督をうならせていた。

 あの時の中村と久保を見て、将来が本当に楽しみになった。今、同じ気持ちで名和田を見ている。

 ただ、もちろん勝負はここからで、本人が言うように現実的な課題も目の前にある。それでも間違いないのは名和田は“ホンモノ”だということ。何にも屈せず立ち向かう。期待もされる、評価も下される、そんな状況など関係なしに、第一線の舞台で愚直にサッカーと向き合っている。それを改めて感じた沖縄キャンプだった。

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