選考基準は「自分の強みを表現している選手」 国内組も対象…新監督が求める尖った個性

なでしこジャパンのニルス・ニールセン【写真:轡田哲朗】
なでしこジャパンのニルス・ニールセン【写真:轡田哲朗】

なでしこジャパンのニールセン監督が取材対応、選考基準について明かした

 なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)のニルス・ニールセン監督は、1月22日に日本サッカー協会(JFA)のトレーニング施設、高円宮記念JFA夢フィールドで取材に対応。同監督の初陣となる2月のシービリーブス・カップからの活動に向け、「何ができないかではなく、何ができるかを見ていく」と、選手の個性や強みを大事にしていく方針を語った。

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 なでしこジャパン史上では初の外国人監督となるニールセン監督はグリーンランド出身でデンマーク国籍。これまでデンマーク女子代表、スイス女子代表の監督を歴任している。昨年12月に就任が発表され、これまでには皇后杯の試合視察やWEリーグ三菱重工浦和レッズレディースの練習を視察する姿があった。その初陣は現地時間2月20日に米国で初戦を迎えるシービリーブス杯で、4月にはコロンビア女子代表との親善試合が予定されている。

 新監督は海外組、国内組の双方を選考対象としたうえで「最初の2つの合宿にたくさんの選手を呼びたい。シービリーブス杯の結果によって、2回目に選ぶ選手は少し変わるかもしれない」と話す。そのうえで、これまでの視察でも気になった選手はいるとして「現時点で名前は言えないが、自分の強みを表現している選手を呼びたい」としている。

 4-4-2と4-3-3を状況や相手によって併用する方針であることを明らかにしたが、それ以上に重要視しているのがパーソナリティーとキャラクターの部分だ。「選手に求めるのは、勇敢に自分の持つ強みを出すこと。自分が何者であるかを示してほしい。もちろんチームスポーツなので、基本はチームに合う選手を考えるが、特別なものを持っている選手を呼ぶ。何ができないかではなく、何ができるかを見る。空中戦に強いとか、1対1の守備なら負けないだとか」と、自身の強みを生かしてチームに貢献する姿を求める。

 そうした部分は、若き日に音楽にも没頭したという指揮官自身の生い立ちとリンクする面もありそうだ。そして、そのような部分を重視する理由として「例を挙げるなら、ワールドカップ(W杯)の決勝戦でPK戦になったとき、誰が決めてくれるのか。お互いを知らなければ選べない。選手は誰かのコピーではいけない」と話す。そして、プレッシャーの中でも自分を表現できるチーム、選手に育てていき「(PKを)蹴りたい人がいるかと問いかけて、5人ではなく11人の手が挙がるようなメンタリティーを作りたい」という思いを話した。

 今や、欧州と米国を中心に海外の高いレベルのリーグでプレーする選手も増えてきた。世界的なトレンドである高強度のサッカーを求めるとしながらも、「それは選手が身を持って示してくれるのが良い。高いレベルではこうなんだと、選手同士が教え合っていくことが高強度のチームにするのには必要だ」とも話す。

 これまで、なでしこジャパンの長所にはチームのまとまり、団結力が挙げられてきた。それに加え、ニールセン新監督はより自分の個性や強みを発揮するキャラクターを求めている。積極的に主導権を握り、攻守にわたり前向きなベクトルのチームを作ることを目指しつつも、初めてともに戦うことになる選手たちについて「自分を見せてくれると信じている」と話した。

 ニールセン監督は28日の皇后杯決勝を視察した後、今度は欧州へ飛んで初陣への準備を進める。2月上旬に予定されている初の代表メンバー発表で、これまでに実力を見せてきた選手たちに加え、どのような尖った個性を持った選手が目に留まるのか注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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